コネクレーンズ、インドの次世代ターミナルへRTGを大量受注――E-ハイブリッドで電力制約を打破

・新規インフラへの戦略的投入、排出ゼロ化を加速

コネクレーンズ(Konecranes) :2025年10月31日

マテリアルハンドリングのグローバルリーダーであるコネクレーンズは、インドの戦略的なコンテナターミナル事業者に対し、30基のラバータイヤガントリークレーン(RTG)を供給する大型契約を獲得した。この受注は、コネクレーンズが推進する環境技術、特にE-ハイブリッド技術が、新設ターミナルにおける省エネルギーと排出ガスゼロの要求に応える最先端ソリューションとして評価されたことを示している。本件は2025年第3四半期(Q3)に受注計上され、納入スケジュールは2027年第1四半期(Q1)を目標としている。

■グリーンフィールド計画の中核を担う電動化技術

今回の導入先となるのは、インド国内のコンテナハンドリングの新たなベンチマークとなることを目指すグリーンフィールド・ターミナルである。コネクレーンズのRTG 30基は、このターミナルのヤードオペレーションを支える中核設備となる。

特筆すべきは、全機に搭載されるE-ハイブリッド技術だ。このシステムは、車載バッテリーを主電源とし、系統電力に接続されたバスバーで動的に充電を行う構成を採用することで、走行・荷役を通じてテールパイプからの排出ガスを完全にゼロ化する。さらに、バッテリー駆動に依存するため、グリッド電力の供給が不安定な状況下でも運用継続が担保されるという、高いレジリエンス(強靭性)を確保している。

■経済合理性を追求した電力システム

このE-ハイブリッド技術の導入は、単なる環境対策に留まらない、高い経済合理性を有している。コネクレーンズの技術は、従来の電動RTGが最大400kWのピーク電力を必要としたのに対し、1基あたりのピーク電力需要をわずか60kWに抑制する。

この大幅な抑制効果は、電力系統への負荷を劇的に軽減するだけでなく、ターミナル側が負担する初期の電気変電設備への設備投資(CapEx)を合理化することを可能にする。

コネクレーンズの港湾ソリューション担当セールスディレクター、シャム・パタック(Shyam Pathak)氏は、今回の受注の意義について次のようにコメントした。

「我々は、電力供給に制約がある市場においても、完全に電動化された大規模ターミナルが現実的に立ち上げ可能であることを実証した。これは、ターミナル設計と、環境を重視した投資の新たな参照点(ニューリファレンス)となりつつある。」

コネクレーンズは、今後もデジタル化と技術革新への投資を継続し、顧客の脱炭素化への貢献と、より安全で生産的なマテリアルフローの実現を強力に推進していく構えだ。

■コネクレーンズ(Konecranes)について

コネクレーンズ(Konecranes)**は、マテリアルハンドリングソリューションのグローバルリーダーとして、港湾、造船所、エネルギー、一般産業など多岐にわたる顧客基盤を世界中で支えている。同社の核となる競争優位性は、安全性、生産性、持続可能性を同時に向上させる技術革新にあり、「肝心な瞬間」におけるブレークスルーを生み出し続けている。
同社は、世界50カ国以上に約16,500名の専門家を擁し、グローバルに展開。特に環境戦略である「Ecolifting」では、製品・サービスを通じて顧客のカーボンフットプリント削減に貢献する「ハンドプリント」の拡大を目指し、ディーゼル駆動からのハイブリッド化、完全電動化を強力に推進中である。
2024年度のグループ売上高は42億ユーロを記録。ナスダック・ヘルシンキ(証券コード:KCR)に上場している。

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