日揮HD、インドネシア・マセラLNGプロジェクトでFEED役務を受注

・陸上LNGプラントおよびFPSOが対象、デュアルFEED採用で最終コントラクター選定へ

日揮ホールディングスは8月27日、同社インドネシア法人のJGCインドネシア社と、仏テクニップエナジー社インドネシア法人がコンソーシアムを組成し、INPEXマセラが推進する「アバディLNGプロジェクト」において、陸上LNGプラントおよびFPSO(Floating Production Storage and Offloading)に関する基本設計(FEED)ならびにEPC/EPCI見積役務を受注したと発表した。

■LNG 950万トン規模の長期安定供給プロジェクト

本案件は、インドネシア東部・マルク州で開発されるアバディガス田を資源とするもので、計画生産能力は年間950万トン(2系列×475万トン)。これは日本国内LNG輸入量の1割強にあたり、日本およびアジア諸国のエネルギー安定供給に貢献する規模となる。さらにCCS(二酸化炭素回収・貯留)技術を組み込むことで、環境負荷低減とクリーンエネルギー供給を両立させることを目指す。

■デュアルFEED方式を採用

アバディLNGプロジェクトにおけるFEEDは、陸上LNGプラント、FPSO、海底生産施設(SURF)、ガス輸出パイプライン(GEP)の4パッケージに分割して発注される。このうち日揮・テクニップ連合が担当する陸上LNGプラントとFPSOは、別の企業連合と並行してFEEDを実施する「デュアルFEED」方式が導入されており、最終的には技術力と価格競争力を評価され、1社が本契約を獲得する見通しだ。

■LNG領域での豊富なトラックレコード

日揮グループは、カナダ西海岸で進むLNG Canadaプロジェクトの完工が目前に迫るほか、UAEルワイスLNG新設、マレーシア・ニアショアFLNG、モザンビーク・ロブマLNG、LNGカナダ拡張など、複数の大型LNGプロジェクトを並行遂行している。今回の受注は、同社のグローバルでのLNG・FPSO事業遂行実績とインドネシアにおける豊富なプロジェクト経験が高く評価された結果と位置付けられている。

日揮HDは、低環境負荷型LNGプラントを通じてエネルギートランジションを推進するとともに、「Enhancing Planetary Health」というグループパーパスの具現化に取り組み続けるとしている。

<概要>
• 契約先:株式会社INPEXマセラ(INPEX・JOGMEC JV)
• 受注者:日揮インドネシア社+テクニップエナジーズ社インドネシア法人コンソーシアム
• 役務内容:
 (1) 陸上LNGプラント(年産950万トン)に係るFEEDおよびEPC見積
 (2) FPSOに係るFEEDおよびEPCI見積
• 建設予定地:
 (1) 陸上LNGプラント:インドネシア・マルク州ヤムデナ島
 (2) FPSO:マルク州タンニバル諸島沖 約170-180km
• 契約形態:ランプサム契約(一括請負)
• 受注金額:非公表
• 特徴:デュアルFEED採用(技術・価格競争を経て最終コントラクターが決定予定)
• プロジェクト意義:日本・アジア向けクリーンかつ安定したLNG供給、エネルギーセキュリティへの貢献、CCS導入による環境負荷低減

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