AGCO傘下のFendt、次世代「1000 Vario Gen4」トラクタと新型「Optimum」プランター発表

AGCO:2025年8月26日

AGCO傘下のFendtは8月26日、米国イリノイ州ディケーターで開幕した「2025 Farm Progress Show」で、大型トラクタ「Fendt 1000 Vario Gen4」と、新開発のスタックフォールド型プランター「Fendt Optimum」を披露した。いずれも同社の主力市場である北米農業分野に向けた戦略製品で、次世代の精密農業や自動化対応を強く打ち出した。

1000シリーズは高出力作業向けの旗艦機種として知られるが、今回のGen4では最大550馬力を発揮する新型MAN製12.4ℓエンジンを搭載。低回転域で高トルクを生む「Fendt iD」コンセプトや、効率的な出力制御機能「DynamicPerformance」を標準装備した。モデルは「1040」「1044」「1048」「1052」の4機種構成。内装も刷新され、フットレストや冷却ボックス、防塵機能を備えた快適性重視のキャビン仕様を用意する。

また同シリーズは工場出荷時からオプションで「PTx OutRun」自動化ソリューションに対応。無人運転による収穫・耕起作業の効率化を可能にし、オペレーターの負担軽減と収穫適期の確保に貢献する。Fendtのソリデイ上級マーケティングマネジャーは「Gen4は出力や効率だけでなく、快適性やデジタル統合性も高めた。自動運転対応の第1号機として顧客を未来に備えさせる」と強調した。

一方、新型プランター「Optimum」はFendt初のスタックフォールド方式。搬送性と作業精度を両立し、起伏のある圃場でも均一な播種深度を確保できるよう、4カ所のヒンジと標準ウィングダウンフォース機構を採用。オプションの垂直追従ヒッチにより地形に合わせた角度調整も可能とした。

種子供給方式は個別ホッパー型と55ブッシェル容量のセンターフィル型から選択可能。さらに「20|20」ディスプレーや「vSet」「vDrive」「DeltaForce」「SpeedTube」など精密播種機能を標準装備し、高精度な種子配置と発芽率の向上を実現する。同社のサントス・マーケティングマネジャーは「OptimumはFendtにとって新たな章の始まりであり、地形を問わず最高レベルの作業精度を提供する」と述べた。

「1000 Vario Gen4」は2025年第4四半期に受注開始、2026年納入予定。「Optimum」プランターは2026年から先行販売を開始する。

このほか同展示会では、30フィート「Momentum」プランター向け乾燥肥料システム、2026年モデル「Rogator 900」散布機の大型タンク・新型スプレッダ搭載、顧客サポート「Fendt Gold Star」による接続サービス強化なども発表された。

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