住友重機械、岐阜多田精機・丸加化工機と型内塗装成形システムを共同開発

・高外観と低環境負荷を両立、量産化へ

住友重機械工業は8月26日、岐阜多田精機(岐阜市)、丸加化工機(愛知県みよし市)と共同で射出成形機の型内塗装成形システム「IMPe(In-Mold-Plus eco)」を開発したと発表した。塗装工程を省略しつつ高外観品質を実現し、環境負荷低減とコスト削減を両立する新技術として注目される。

型内塗装は、成形工程と同時に低粘度塗料を加飾・一体化する方式である。従来必要とされてきた洗浄や乾燥工程を大幅に削減できることから、ライン全体の効率化と運用コスト低減が可能になる。また、塗装工程に伴う揮発性有害物質(VOC)の発生や二酸化炭素(CO₂)の排出を抑制でき、環境対応面での効果も見込める。

今回の開発では、成形機・金型・塗装注入装置をそれぞれの強みを持つ3社が連携し、日本メーカーならではの精密設計による「高意匠・高外観品質」を実現した点が特徴である。今後は実機適用に向けた実証を進め、量産適用を本格化していく構えだ。

■各社の役割
• 岐阜多田精機:自動車や医療用など多様な分野に金型を供給する開発提案型メーカーで、高難度成形品金型の設計・製作を強みとする。
• 丸加化工機:自動車・建材・家具向けなどにポリウレタン高圧注入機を供給し、高精度の注入技術で実績を重ねる。
• 住友重機械工業:射出成形機の大手メーカーとして、全電動機やZero-molding技術など革新的成形技術を展開している。
環境対応と生産性向上という二つの課題を同時に解決する「IMPe」は、自動車部品をはじめ意匠性と生産効率を両立させたい用途での採用が期待される。3社は共同開発体制を活かし、国内外市場への普及を視野に入れていく。

ニュースリリース