・欧州連合の復興支援を活用し、記念すべき3,000基目のRTGもポーランドで製造
コネクレーンズ(Konecranes):2025年8月25日
ポーランド・グディニャ(Gdynia)港に位置するバルチック・コンテナ・ターミナル(BCT :Baltic Container Terminal)は、コネクレーンズ(Konecranes)製のハイブリッド型ラバータイヤ式ガントリークレーン(RTG)8基の導入を決定した。契約は2025年第2四半期に締結されており、今回の納入には、同社が世界で製造・出荷した記念すべき3,000基目のRTGも含まれる。
この投資は、バルチック・コンテナ・ターミナルにとってコネクレーンズ製RTGの初導入となる。各クレーンには、先進的なバッテリー技術とコンパクトなディーゼル発電機を組み合わせたハイブリッド駆動システムが搭載されており、従来型のディーゼル駆動RTGと比較して、燃料消費量および排出量を大幅に削減できる構成となっている。
本プロジェクトは、欧州連合の復興支援策「NextGenerationEU」の一環として、ポーランド国家復興計画(E2.1.3「インターモーダルプロジェクト」)より資金提供を受けている。
さらに、導入されるRTGには「スタック衝突防止」「自動TOSレポート」「自動ステアリング」など、安全性と運用効率を高めるスマート機能が標準搭載されている。
バルチック・コンテナ・ターミナルの技術ディレクターであるマチェイ・マリシェフスキ氏は、「コネクレーンズのRTGは、性能と環境負荷低減の両面で最適な選択肢でした。技術仕様、保証、投資価値、納期のすべてにおいて我々の要件を満たしており、処理能力の向上と環境負荷の軽減という我々の目標に完全に合致しています」と述べている。
クレーンは、コネクレーンズのポーランド国内製造ネットワークを通じて現地生産される予定であり、今回の納入は同社にとってグローバルで3,000基目のRTG製造・納入という節目にもなる。
コネクレーンズの港湾ソリューション部門でRTGを統括するヘイッキ・クレク氏は、「世界中で225基以上のハイブリッドRTGが稼働しており、今回の受注は欧州市場での人気の高まりを示しています。3,000基目のRTGがポーランドで製造され、バルチック・コンテナ・ターミナルに納入されることは、我々にとって大きなマイルストーンです」と語った。
この契約は、コネクレーンズが掲げる環境ビジョン「Ecolifting」の一環でもあり、製品・サービスを通じて顧客のカーボンフットプリントを削減しつつ、環境に貢献する“ハンドプリント”の拡大を目指している。ディーゼル駆動の最適化からハイブリッド化、完全電動化まで、同社は「より少ない資源でより多くを実現する」ことを追求している。
<会社概要>
・コネクレーンズ(Konecranes):マテリアルハンドリングソリューションのグローバルリーダーとして、50カ国以上に約16,500人の専門スタッフを擁し、幅広い業界の顧客にサービスを提供。安全性、生産性、持続可能性の向上を追求し、日々の改善から業界の転換点となる技術革新まで、常に新しい価値を創出している。2024年のグループ売上高は42億ユーロ。株式はナスダック・ヘルシンキ(銘柄コード:KCR)に上場。
・バルチック・コンテナ・ターミナル(Baltic Container Terminal):ポーランド・グディニャ港に位置する国内有数のコンテナターミナル。バルト海地域でも最大級かつ最先端の海上ターミナルの一つで、年間100万TEU超の処理能力を有する。汎欧州回廊および鉄道網に戦略的に接続されており、欧州内陸部へのトラック・鉄道輸送に優れたアクセスを提供。国際港湾運営企業ICTSIの子会社として運営。
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