三一アメリカ、林業向け油圧ショベルを拡充、耐久性・油圧性能・快適性を強化

 三一アメリカ(SANY America) :2025年8月14日

 中国の建設機械大手・三一重工の米国法人、三一アメリカ(SANY America)は、過酷な林業現場での作業に対応する油圧ショベル製品群を発表した。林地での作業は機械への負荷が大きく、高い耐久性と油圧性能が求められるが、同社はこうしたニーズに応える仕様を標準で備えている。

 林業仕様機は補強構造のフレームと重耐久アンダーキャリッジを採用し、鋼材の使用や強度で妥協しない設計とした。エンジンにはヤンマー、いすゞ、カミンズ製の実績あるユニットを搭載し、長期信頼性を確保している。

 機種構成は幅広く、小規模伐採や道路沿いの植生管理など機動性を重視する作業には「SY80U」「SY95C」「SY135C」「SY155U」を、中規模の間伐やマルチングには「SY215C」「SY225C」「SY265C」を、大規模伐採や土地造成には高出力型「SY335C」「SY385C」を用意。大小機種ともワイドトラック仕様を標準装備し、軟弱地や不整地での走破性を高めた。

 また、林業向け純正キャブガードも提供。視界やメンテナンス性を損なわず、密集した樹木や飛散物からオペレーターを保護する。複数機種に対応し、用途に合わせたカスタマイズも可能だ。

 油圧面では全機種がデュアル補助回路とケースドレン、クイックカプラー用配管を工場出荷時に装備。一部モデルは回転機能専用のギアポンプを備え、高負荷アタッチメントの同時作動でも安定した流量を維持する。油圧流量や圧力はキャブ内から調整でき、次世代モデルでは大型冷却パックにより油温上昇を抑える設計とした。

 快適性にも配慮し、ROPS(FOPSはガード装着時)認証キャブ、高性能空調、多機能モニター、エアサスペンションシート、USB・12V電源、リアビューカメラ(最新モデルは360度カメラ)を標準化。長時間の山間部作業でも効率的に作業できる環境を整えた。

 三一アメリカは「林業のプロが求める耐久性、油圧性能、快適性を備えた製品を通じ、現場の生産性向上に貢献する」としており、販売代理店ネットワークを通じて各地域のニーズに合う機種を提案していく。

 詳細確認は、下記参照。
 ニュースリリース