三一(SANY) :2025年8月7日
中国の建設機械大手、三一重工(SANY)は、世界的な製造業の知能化・低炭素化の潮流を受け、「グローバル化・デジタル化・脱炭素化」を柱とする事業戦略を推進している。自動化やデジタル化、AIを活用した知能化を製品・製造・運用の各分野で加速し、従来の機械メーカーからデータ知能端末の提供企業への転換を図る。
同社は全研究開発拠点に知能化研究所を設置し、車両インターネット(IoV)や人工知能(AI)、ビッグデータを活用したスマート製品群を展開。鉱山や都市インフラ、エネルギー開発などの分野で運用を拡大している。内モンゴル自治区の石炭鉱山では40台の自律走行ダンプトラックが24時間稼働。昆明市の生コン工場では無人ローダーが稼働し、大型トラック部門では15人の管理チームで200台超の車両を運行している。
道路建設機械では、自律走行による舗装・転圧車両隊が知能化の象徴となっている。7月16日には湖南省長沙市で「世界道路機械プレミアム顧客サミット」を開催。約40カ国から600人超の顧客が来場し、自律走行フィニッシャーによる100メートルの高精度舗装と、二重ドラム・タイヤローラー計4台による転圧実演を見学した。
同社は2019年に第1世代の無人道路施工機械を投入。現行の第3世代では縁石検出精度の向上、障害物回避による安全性向上、現場条件に応じた自動転圧最適化などを実現し、国内50件以上のプロジェクトで稼働している。
今後は知能化や中核技術の研究開発投資を拡大し、高効率で環境負荷の少ない建設機械ソリューションを世界市場に提供する方針。
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