光ファイバケーブル大手のフジクラ(東京都江東区)は8月7日、千葉県佐倉市に光ファイバ・SWR®の次世代工場を建設すると発表した。投資予定額は約450億円で、2029年度の稼働開始を予定している。
■生成AI市場の急速な拡大が背景
同社によると、生成AIの普及・拡大に伴い、データセンター市場を中心とした光ファイバの需要が急激に増加している。特に、同社が開発した細径高密度を実現する「SWR®(Spider Web Ribbon®)」と「WTC®(Wrapping Tube Cable®)」により高い競争力を維持しており、今後も需要増加が見込まれることから設備能力の増強を決定した。
■革新的製造技術で競争力強化
新工場では、母材製造から紡糸、SWR®加工まで各工程に革新的な製造技術を持つ新規設備を導入する。これにより従来以上のコスト競争力の強化を図る狙いだ。
建設地は千葉県佐倉市六崎1440で、工場建屋と生産設備などに総額約450億円を投資する予定。2029年度の稼働開始を目指している。
■業績への影響は軽微
同社は、この投資による2026年3月期の連結業績予想への変更はないとしている。今後、開示が必要な情報が発生した場合は、速やかに適時開示を実施するとしている。
データセンター市場の拡大は今後も継続すると予想されており、光ファイバケーブル業界にとって大きなビジネス機会となっている。フジクラの大型投資は、この成長市場での競争優位性をさらに強化する戦略的な取り組みと言えそうだ。
※SWR®/WTC®は、フジクラ独自の革新的技術により超高密度光配線を支える光ファイバケーブル「Spider Web Ribbon®/Wrapping Tube Cable®」の略称
<新工場の内容>
所在地:千葉県佐倉市六崎 1440
資産の内容:工場建屋、生産設備など
投資予定額:約 450 億円(予定)
稼働開始:2029 年度(予定)