ソディック、イタリア金属 3D プリンタ製造企業の子会社化が決定

 ソディックは3月21日、2024 年 4 月より実施している資本業務提携契約に基づき、イタリアのトリノ近郊に本社を置き、金属 3D プリンタ事業を展開する Prima Additive S.r.l(以下、Prima Additive 社)の株式取得に関するコールオプションを行使し、同社を子会社化することについて通知完了したと発表した。

 ソディックは、2014 年の金属 3D プリンタ事業開始以来、プラスチック金型/ダイカスト金型など、内部に 3D 水管を配置することにより成形性能を各段に向上させることができる金型分野を中心に、主にソディックが販売網を有する国内で事業を展開してきた。現在、自動車分野においてギガキャストによる構造体量産の傾向により、一層需要が高まりつつある。

 Prima Additive 社は、世界の金属 3D プリンタメーカー同様に航空宇宙/自動車/船舶/医療および歯科/エネルギー/ジュエリーなど幅広い産業分野で展開し、その事業展開の中で顧客の要求に対応するため様々な種類の金属 3D プリンタ(レーザー照射による金属粉末床溶融結合方式、金属粉末指向性エネルギー堆積方式、金属ワイヤー指向性エネルギー堆積方式など)および材料加工におけるその他の先進的なレーザー技術を搭
載したシステムを製品化し、主に欧州で事業を展開している。

 日本政府は、今後拡大が見込まれる金属 3Dプリンタによる複雑形状等の重要部品の国産化を推進しているため、金型以外の用途にも対応できる Prima Additive 社のこれまでの製品展開は、日本国内での拡販にも重要な役割を果たすと考えている。

 このようにソディックと Prima Additive 社は、産業分野/製品群/販売地域でシナジー効果があり、今後 10 年以上CAGR が 24%と高い成長率が推測されている金属 3D プリンタ業界で大きく躍進できると考えている。

 また、Prima Additive 社では先進製造システム、オートメーション、デジタル変革の分野における EU およびイタリアの主要な研究・イノベーションプロジェクトに参加し、将来に向けた研究開発を積極的に実施している。

 今回の買収完了後も、Prima Additive 社の本社所在地は変わらず、また最高経営責任者(CEO)の Paolo Calefati 氏をはじめとする経営陣は留任し、ソディックの先進レーザー技術分野の成長戦略の中核を担う存在とし
て、重要な役割を果たしていく。

 今回の子会社化により、ソディックと Prima Additive 社で、より充実した産業用向けの先進的なレーザーシステムの研究開発を推進していく。

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