デンヨー、帝人からの水素燃料電池発電機に関する資産譲受とプロジェクト承継を発表

 デンヨーは3月12日、帝人が開発を進めてきた水素燃料電池発電機システムに関する資産譲渡契約を同社と締結し、2025 年3月31日付で資産を譲り受け、小型燃料電池発電機の開発プロジェクトを承継すると発表した。

 譲受する燃料電池ユニットと圧力容器ユニットは、帝人が2023年に開発したもの。         
 
 燃料電池ユニットは、帝人が展開する Intelligent Energy Limited(以下、IE社)が開発した燃料電池を搭載した連続定格 800W の発電機で、圧力容器ユニットは、帝人エンジニアリングが展開する複合材料圧力容器「ウルトレッサ」を最大 3本搭載可能な水素燃料供給装置。いずれのユニットも可搬形として設計されており、小型且つ軽量性に優れ容易に移動させることが可能。

 デンヨーは、地球温暖化の原因となるCO2の排出量を削減するための手段の一つとして、水素を使って発電する燃料電池の活用が有効であると考え、2019 年より燃料電池式可搬形発電装置の技術開発を開始し、2024 年からは量産型の開発を進めている。

 一方、帝人は、2021 年より IE社製の燃料電池の日本における代理店販売を開始し、2023年には、IE社の燃料電池を搭載した燃料電池ユニットと同ユニットに水素を供給する圧力容器ユニットを開発し、有用性・有効性の検証を進めてきた。

 デンヨーと帝人は、水素エネルギーの社会実装に向けて連携や協業に関する協議を進める中で、帝人が保有する小型燃料電池発電機の開発に関する技術と小型燃料電池発電機の開発プロジェクトをデンヨーが展開することが、早期の社会実装や水素市場の発展に繋がると考え、今回の契約締結に至った。

 デンヨーは、今後も燃料電池式可搬形発電装置の開発を推進するとともに、水素社会の実現に向けた取り組みを積極的に進めていくとしている。

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