安藤ハザマ、三井三池製作所と共同で積込み機能付きAI-ロードヘッダを開発

・機械掘削工法における掘削からズリ出しまでの無人化を目指す

 安藤ハザマは2月28日、ICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATMアイナトム®)」の開発を推進しているが、この取り組みの一環として、機械掘削工法におけるズリ積込み機能を装備した「AI-ロードヘッダ」を三井三池製作所(東京都中央区)と共同で開発したと発表した。

■開発の背景
 建設業は就労者の高齢化や人口減少の影響を受け、生産性の向上が必須となっている。そのためにはICTを活用し、熟練技能者の持つ知識や経験を、分かりやすい形で次世代に伝えていくことが重要。また、作業を自動化・自律化することは、技能者の負担を軽減し効率的な施工を実現することにもつながり、作業の遠隔化も、労働災害を抑制し作業効率を高めるうえで有効な手段。

 山岳トンネル工事において切羽作業は最も危険な作業であるとともに、作業の多くが粉じんを伴うことから健康被害も懸念される。特に機械掘削工法では、重機オペレーターが長時間の粉じん発生作業に従事するため、これを無人化することは、省力化のみならず安全面・環境面からも重要。

■開発の経過と実証試験
 これらの課題を解決するために、安藤ハザマと三井三池製作所は、機械掘削工法における自動掘削・遠隔掘削を実現するAI-ロードヘッダの開発を進め、2024年6月には「令和3年度 中部縦貫坊方トンネル工事」において、開発機械による自動掘削および遠隔掘削の実証試験を行い、その有効性を確認した。

 そして今回、AI-ロードヘッダによる作業の無人化への適応性を高めるため、集土・排土の機能を付加した、積込み機能付きAI-ロードヘッダを開発した。

■今後の展開
 積込み機能付きAI-ロードヘッダは、2025年度に実際の山岳トンネルにおいて運用し、その効果を確認する予定。また、切羽性状に合わせた作業員の掘削手順を記録し、自動掘削のさらなる高度化を目指す。

 詳細は、ニュースリリース