タダノ、IHI運搬機械の運搬システム事業を買収

 ㈱タダノは11月6日、㈱IHIより連結子会社であるIHI運搬機械(東京都中央区)の運搬システム事業を買収するための契約を締結したと発表した。同契約のもとIHIは新たに設立する会社に対し会社分割によって対象事業を承継させ、タダノは2025年7月をめどに新設会社の全株式を取得して連結子会社化する予定。取得価額については守秘義務のため非開示。対象事業の連結売上高(2024年3月期)は約310億円。

■株式取得の目的
 タダノは、2024年策定した中期経営計画(24-26)において「Reaching new heights~新たなステージへ~」をスローガンに掲げ、業界のリーディングカンパニーとして、顧客の安全と地球環境に配慮した新たな価値を提供するための戦略を推進している。

 今回の契約締結により取得する対象事業の製品ラインナップは、ジブクライミングクレーン、港湾・大型オフショアクレーン、風力用クレーン、バルクハンドリングシステム等となる。

 タダノグループは「移動式クレーン」の分野では長い歴史とグローバルでの販売実績を有しているが、「固定式クレーン(タワークレーンや港湾クレーン)」は新たな製品群となる。

 対象事業は日本国内で多くの顧客に支えられ、メンテナンス・サービスも含めた事業の収益性は安定しており、将来のグローバル展開も期待できる。

 また、タダノグループがドイツで生産する「ラチスブーム式クローラクレーン」とも親和性があり世界中でニーズが高まっている洋上風力分野においても今後の活躍が期待される「リングリフトクレーン」も有していることから、タダノグループの事業領域であるLE(Lifting Equipment)における新事業分野への挑戦として同事業の買収を決定した。

■株式取得の方法
 契約はタダノとIHIを当事者とする。IHIは2025年7月をめどに連結子会社であるIHI運搬機械の対象事業を新設会社に対して吸収分割の方法で承継させ、タダノは同日新設会社の全株式をIHIから取得し、新設会社をタダノの連結子会社化する予定。

<対象事業の内容>
運搬機械の企画・開発・設計・製造・販売・賃貸・据付・メンテナンス・改修・運営・管理事業

■一般産業用クレーン(ジブクレーン・ダブルリンク式クレーン・スラブリフタ)
■建設分野用クレーン(ジブクライミングクレーン・解体用クレーン・鉄塔建設用クレーン)
■港湾・大型オフショアクレーン(リングリフトクレーン・フローティングクレーン・多目的クレーン)
■風力用クレーン(洋上風力用リングリフトクレーン・陸上風力用タワークレーン)
■バルクハンドリングシステム(アンローダ・穀物用・バイオマスペレット用アンローダ・コンベヤ・クレーン逸走防止ブレーキ)
※なお、対象事業の直近事業年度の経常利益、資産、負債等の状況は、現在精査中のため非開示とさせていただきます。

 詳細は、ニュースリリース