芝浦機械が7月31日に発表した2025年3月期(2024年度)第1四半期(4〜6月)連結業績によると、受注高は射出成形機が北米、中国において増加したものの、押出成形機の中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の減少により、235億4千7百万円(前年同期比39.5%減、 海外比率62.3%)となった。また、売上高は中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の大 幅な増加により、423億7千4百万円(同21.9%増、海外比率84.6%)となった。
損益については、規模増加などによる増益効果により、営業利益は39億5千5百万円(同50.7%増)、経常利益は44億円(同28.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は29億1千9百万円(同8.5%増)となった。
■第1四半期の概況
第1四半期における世界経済は、緩やかな回復基調で推移しているが、中国の景気低迷の長期化、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化など先行き不透明な状況が継続した。わが国経済は円安や物価上昇等により足踏みも見られたが、設備投資に持ち直しの動きがあった。
芝浦機械グループを取り巻く経済環境は、インド経済の堅調な成長、米国経済の持ち直しはあるものの、中国の景気低迷や部材・エネルギー価格の高止まりの影響など厳しい状況となった。
このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画「中計2026」(2025年3月期~2027年3月期)で掲げている事業ポートフォリオの組み替え、顧客の生産性向上に寄与するシステムエンジニアリング装置販売・直 販への軸足シフト、事業ポートフォリオ組み替えにリンクした人材戦略、ESG経営の推進等の基本方針に基づき、 脱炭素社会、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した商品の開発と提供、DX戦略の推進などの 諸施策を遂行していく。
芝浦機械2025年3月期第1四半期データ
■セグメント別の概況
<成形機事業>[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]
射出成形機の販売はインド、中国で増加したものの、国内、北米、東南アジアで減少した。受注は国内、東南アジアで減少したが、北米における自動車向けを中心とした中大型機及び中国で増加した。
ダイカストマシンは、自動車向けが、販売は微減、受注はインド、韓国で増加したものの、国内、中国で減少した。
押出成形機は、リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が、販売は中国で大幅に増加、 中長期におけるEVの普及拡大は予測されるものの、EV需要の伸びの鈍化などの影響により、受注は中国で大幅な 減少となった。
この結果、成形機事業全体の受注高は160億9千1百万円(前年同期比45.6%減、海外比率76.1%)、売上高は359 億4百万円(同32.8%増、海外比率92.9%)、営業利益は44億1千9百万円(同60.3%増)となっ た。
<工作機械事業>[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]
工作機械の販売は中国で増加したものの、国内、北米で減少した。受注は国内、北米における産業機械向け及び中国における景気低迷の影響により減少した。超精密加工機の販売は微減、受注は国内における車載用光学系金型向け、半導体製造装置向け、医療向けが増加した。
この結果、工作機械事業全体の受注高は55億4千9百万円(前年同期比21.0%減、海外比率40.8%)、売上高は40億2千1百万円(同13.8%減、海外比率58.8%)、営業損失は2億9百万円(前年同期は営業損失4億1千1百万 円)となった。
<制御機械事業>[産業用ロボット、電子制御装置など]
制御機械の販売と受注は国内における電子制御装置が減少した。 この結果、制御機械事業全体の受注高は15億7千7百万円(前年同期比21.0%減、海外比率10.6%)、売上高は20億7千3百万円(同25.1%減、海外比率7.8%)、営業利益は2千6百万円(同89.4%減)となった。
<その他の事業>
その他の事業全体の受注高は3億2千8百万円(前年同期比1.5%増、海外比率2.7%)、売上高は3億7千4百万円(同33.9%増、海外比率0.0%)、営業損失は2億7千1百万円(前年同期は営業利益1千9百万円)となった。
■次期見通し
2025年3月期の業績については、2024年6月24日の連結業績予想(下記)から変更はない。
売上高1,700億円(前期比5.8%増)、営業利益140億円(同2.8%増)、経常利益126億円(同13.7%減)、親会社株主に帰属 する当期純利益92億円(同48.7%減)を予想している。
コメントを投稿するにはログインしてください。