荏原製作所、トクヤマと水素焚吸収冷温水機の実証試験に関する覚書を締結

 ㈱荏原製作所およびグループ会社である荏原冷熱システムと、㈱トクヤマは、7月22日、荏原グループが開発した水素を燃料とする水素焚吸収冷温水機(以下:RHDH型)を用いた新たな水素利活用モデルの検証のため、共同実証試験の実施について合意し覚書を締結したと発表した。

■背景
 世界的な脱炭素化の流れの中、燃焼時にCO2を排出しない水素を温暖化対策に有効なエネルギーとして利用する検討が進められている。実証試験では、水素を活用したエネルギーの普及と環境負荷の低減に向けて、各社の得意分野を活かした協業を進めていく。

■概要
 トクヤマは、基礎素材分野から最先端の電子・健康・環境分野に関するさまざまな製品を手掛ける総合化学メーカ。実証試験の実施にあたり、トクヤマは苛性ソーダの製造工程で副次的に発生する副生水素において、高品質な水素を安定的に供給する役割を担う。荏原グループは、幅広い分野で流体、熱制御などの技術や製品を提供する産業機械メーカー。実証試験では水素を直接「つかう」利活用モデルの構築を目的に、昨年開発した水素をエネルギー源とするRHDH型をトクヤマ文化体育館に設置する。トクヤマが供給する水素を用いて、同製品が実際に冷暖房空調を提供することで、実負荷における長期連続運転の信頼性および実用性の評価を進めていく。

試験開始予定日:2024年8月1日
場所:山口県周南市江口1丁目1-25 トクヤマ文化体育館

■RHDH型について
 RHDH型は水素利用によるCO2排出量削減だけでなく、冷却水や冷温水の変流量制御、省エネルギー運転モード、始動時間短縮制御といった各種新技術を搭載しているため、消費エネルギーの削減を実現します。また、冷媒にはオゾン層破壊係数ゼロで、燃焼性や毒性もない水を使用しているため、カーボンニュートラルの実現に貢献する。

■今後の展開
 荏原の水素焚冷温水機は、水素エネルギーを直接「つかう」製品として今後ラインナップの拡充を進め、加速する水素社会の実現に貢献していく。一方で、トクヤマは今回の実証試験により、化学産業における多様な用途に向けた新たな水素の需要開拓を行い、持続可能な社会の実現に貢献していく。

 荏原は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速し、長期ビジョン「E-Vision2030」で掲げる持続可能な社会の実現に貢献していく。

 詳細は、ニュースリリース