古河ユニック、VRを活用したクレーンの訓練システムを開発

・シンフォニアと協業し、労働災害防止や人手不足解決に貢献

 古河機械金属は6月24日、グループの中核事業会社で、ユニック部門を担う古河ユニック(東京都千代田区)が、XR※コンテンツ開発を手掛けるシンフォニア(東京都府中市)と協業し、古河ユニックが製造・販売するユニッククレーンの「液晶ラジコンJOY」を使用した、新しい仮想現実(VR)訓練システム「古河ユニック版 小型移動式クレーンVRトレーニング」を共同開発したと発表した。

 ※ XR:「Extended Reality」または「Cross Reality」の略称で、現実世界と仮想世界を融合させる技術の総称。

■背景・目的
 古河ユニックは、クレーン業界の課題の一つである「クレーン事故ゼロ」を目指して、トラック搭載型クレーンの過負荷による転倒事故や破損事故を防ぐ過負荷防止装置を始めとした安全装置付きクレーンを開発するなど、安全性の追求に取り組んでいる。また、安全意識向上のための教育活動にも力を入れており、クレーン運転者への安全教育やHP等での情報発信といった安全に関する啓蒙活動にも取り組んでいる。

 一方、シンフォニアは、トラック搭載型クレーンの操縦訓練をVRで行うことができる「小型移動式クレーンVRトレーニング」を開発している。実際のクレーンのコントロールレバーを模した操作器を用いてVR空間内でリアルに近い訓練が繰り返しできるため、クレーン運転者の操縦技能向上はもちろん、即戦力となる運転者を効率的に教育できる訓練システムで、クレーン運転者の人手不足問題解決につながるサービスの提供に取り組んでいる。

 このように、両社は「クレーン事故ゼロ」を目指して様々なことに取り組む中、「クレーン運転者の安全意識向上」を重要なテーマと捉え、新しいVR訓練システムの開発に向けて協業してきた。今回の協業では、クレーン運転者の安全意識向上と人手不足問題解決の一助となるべく、実際にクレーン操作しているようなリアルな「操作体験」による効果の高い安全教育・訓練をVR上で提供することを目指し開発を進めてきた。国内シェア約50%を有するユニッククレーンの強みである「液晶ラジコンJOY」と、シンフォニアの強みである「小型移動式クレーンVRトレーニング」を融合させることで、ユニッククレーンのラジコン操作をよりリアルに「操作体験」できる新しいVR訓練システム「古河ユニック版 小型移動式クレーンVRトレーニング」を共同開発した。

 今後は、安全教育の充実化に向け、実際に起きたクレーン作業による労働災害事故を体験する「事故体験シミュレーション」等のコンテンツ開発も予定している。両社は協業を通じて、トラック搭載型クレーンの労働災害防止や人手不足問題解決の一役を担えるように努めていく。

 詳細は、ニュースリリース