日本ゼオン、山口県周南市に高機能樹脂COPの新プラント建設、投資総額は約 700億円

 日本ゼオン(東京都千代田区)は6月12日、同日開催の取締役会において、中期経営計画に掲げた全社戦略「既存事業を磨き上げる」「新規事業を探索する」に沿って、主力製品である高機能樹脂シクロオレフィンポリマー(以下、COP)の新プラント建設を決定したと発表した。

 日本ゼオンは、かねてよりCOPの生産拠点分散によるレジリエンス強化策の検討を進めていたが、国内外の候補地より山口県周南市を選定し、新プラント建設用に事業用地を取得した。現在、水島工場(岡山県倉敷市)で生産しているCOPは、中期経営計画において磨き上げおよび新規探索に注力する成長事業の一つと位置付けており、COPが有する優れた光学特性、低吸水性、更には不純物が非常に少ないという特長から、今後も旺盛な需要が見込まれている。光学フィルム、光学レンズ用途だけでなく、医療用途、半導体用途での採用も拡大しており、今後も更なる需要拡大が見込まれることから、設備の増設を決定した。

 なお、 COPは水島工場の既存プラントで約 42,000t/年の生産能力を有しており、 建設を決定した新プラントも合わせた全体の能力は、約 54,000t/年まで増強されることを見込んでいる。

 新プラント建設予定地は、BCP(事業継続計画)の観点から岡山県外の拠点を検討してきたが、山口県周南コンビナート内の事業用地に決定した理由に、水島工場との利便性に加え、当社の徳山工場(山口県周南市)と近接した場所であることが挙げられる。今回取得した事業用地には、今後も高収益製品のプラント建設を検討中であり、現在の汎用品中心の徳山工場の製品ポートフォリオを大幅に見直し、操業人員も含めた各種リソースを高収益製品の生産に移行させていく計画。日本ゼオンでは、今後も積極的な事業構造改革を推進し、中長期的な企業価値向上を目指す。

<新工場の概要>
所在地: 山口県周南市由加町
敷地面積: 約 186,500㎡
生産能力: 約 12,000t/年
着工時期: 2025年度下期
竣工時期: 2028年度上期
投資総額: 約 700億円

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