清水建設、省スペース型の水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC Lite」を製品化

・水素製造装置、水素貯蔵装置、燃料電池を40フィートコンテナに収納

 清水建設6月11日、再生可能エネルギーのさらなる利用拡大とカーボンニュートラルの実現に向けて、水素サプライチェーンの「つくる」から「つかう」までの設備一式をコンテナ内に収納した省スペース型の水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC Lite」を開発、製品化したと発表した。

 Hydro Q-BiC Liteは、水素製造装置、水素貯蔵装置、燃料電池等の設備一式を40フィートコンテナ相当の空間内にコンパクトに収納したパッケージ型の水素エネルギー利用システム。各装置の基本仕様は、水素製造装置が製造能力5Nm3/h、水素貯蔵装置が貯蔵量300Nm3、燃料電池が出力8kWで、貯蔵装置には水素をコンパクトかつ安全に貯蔵できる水素吸蔵合金タンクを利用する。同システムは、東京都の補助金事業「グリーン水素製造・利用の実機実装等支援事業」(補助率10/10、上限2億5,300万円)のパッケージモデルプランに選定されており、低コストでの導入が期待できる。

 Hydro Q-BiC Liteのベースとなるのは、清水建設と国立研究開発法人産業技術総合研究所が共同開発した建物附帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」のコア技術。Hydro Q-BiCに適用した独自の水素吸蔵合金と再生可能エネルギー利用の最適制御技術を活用し、特に同システムでは、装置仕様(装置容量、設置スペース)の標準化と生産工程のプレファブ化により、設計・施工の省力化を実現している。また、設置面積は40フィートコンテナの底面積(2.4m×12m)相当を確保すればよく、コンテナ下部の基礎工事と最小限の配管・配線工事を行うだけで設置を完了できる。

 清水建設は今後、Hydro Q-BiC Liteの販売活動に注力し、水素エネルギーの利用拡大、ひいてはカーボンニュートラル社会の実現に寄与していく考え。

 詳細は、ニュースリリース