国際ロボット連盟(IFR)、ロボット産業で女性が活躍できるよう支援

・世界銀行、男女格差の解消で経済が20%上昇すると予測

 IFR(International Federation of Robotics.、国際ロボット連盟):2024年6月5日

 フランクフルト、2024年6月5日 — 労働力不足が世界的に今後の経済成長を阻んでいます。世界銀行は、女性の雇用が男性と同等に増加すれば、一人当たりGDPが平均で約20%増加すると予測しています。国際ロボット連盟(IFR)とそのメンバーは、ロボット産業で女性が活躍できるよう支援しています。

 国際ロボット連盟のMarina Bill (マリーナ・ビル)会長は次のように述べています。「ロボット工学は魅力的な分野であり、この業界には女性にとって素晴らしい未来があるというのが私の明確なメッセージです。ロボット工学のエコシステムは毎年成長しており、私たちは男女平等の面でベンチマークを設定したいと考えています。」

■部門別の女性の就業状況
 平均すると、職場における女性の比率は全体的に低いです。しかし、人材パイプラインは業界によって異なります。たとえば、北米の食品・飲料製造業では、入社時に女性の労働力参加率が 54% です。42% が上級管理職として働いていますが、C レベルに達するのはわずか 15% です。米国とカナダの工業製造業全体では、さらに遅れており、入社時に女性を引き付けるのはわずか 33% です。

 McKinsey(マッキンゼー)の調査「Women in the Workplace(職場における女性)」で調査した20の産業部門のうち、女性に力を与え労働力不足と闘う潜在能力は現在、どの部門でも活用されていません。

 上級管理職レベルより上になると、最も進歩的な業界でさえ男女平等が達成されていません。たとえば、医療システムやサービス業界では、C レベルの女性の割合はわずか 30% 程度です。この業界では、管理職 (70%) とエントリーレベル (76%) で女性の参加率がトップであることを考えると、これは注目に値します。

■ ロボット工学は女性のキャリアを支援
 ABB、FANUC、KUKA、YASKAWA などのロボット製造業者はいずれも、仕事に関する男女格差をなくすためのプログラムを実施しています。これらの企業は、学校に通う若い年齢の候補者に働きかけ、ロボット工学や STEM 職業に関連する新しい技術に興味を持ってもらうよう努めています。これらのプログラムは、多くの場合、地方レベルの政府イニシアチブ、学術機関、ネットワーク プロジェクトと連携して機能します。同時に、ロボット工学のトレーニングは、女性の労働力参加を促進する上で重要な役割を果たします。トレーニング プログラムは、初めてのユーザー向けの基本的なプログラミングから複雑なワークショップまで多岐にわたります。国際的なロボット製造業者は、30 か国以上で男女平等に特に重点を置いたロボット クラスを提供しています。

■ IFRのロボット工学における女性賞

 国際ロボット連盟のマリーナ・ビル会長は次のように述べています。

 「世界中には、私たちの業界で働き、男女平等の模範となる素晴らしい女性たちがいます。私たちは、女性たちの知名度と認知度を高めることを目指しています。
 2024年から、IFRの「ロボット工学における女性:ロボット工学の未来を形作る10人の女性」を選出し、正式に表彰します。」

 IFRの選考基準には、ロボット工学の分野全体への貢献と実績、業界のさらなる促進、若い女性がSTEM分野やロボット工学のキャリアを追求することを奨励する活動が含まれます。

 ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。