日立造船、水素発生装置を福井県小浜市の電子部品メーカーへ納入

・生産プラント向けの導入は初

 日立造船は6月4日、進工業(京都市下京区)の小浜工場(福井県小浜市)内の設備向けとして清水建設から受注していた水素発生装置 1 基(水素発生量:5N m³/h)の試運転が完了し、このほど納入したと発表した。

進工業は、薄膜抵抗器メーカーで、主力の小浜工場は築 45 年が経過したため、今年、規模を拡 大した上で新工場として再整備した。この新工場に設置された水素エネルギーシステムの中に、今回日立造船が納入した水素発生装置が 組み込まれている。

 システムは、清水建設が国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と共同開発したハイドロ キュ-ビック「Hydro Q-BiC」で、再生可能エネルギーの余剰電力を使って水素発生装置を運転し、発生させ
た水素を水素吸蔵合金に蓄えたのち、必要に応じて水素を取り出して発電することができる。 日立造船は以前からこのシステム向けに水素発生装置を納めており、今回初めて、生産プラント向け に導入され、工場電力のピークカット制御のほか、BCP(事業継続計画)の観点から非常時の電源としても活用される予定。

 水電解による水素発生装置は、再生可能エネルギーの余剰電力や出力変動を吸収し、再生可能エネルギーの更なる導入拡大を図ることができる設備。日立造船は、2000 年に水素発生装置の販売を開始して以来、これまでに 40 基以上、国内外の企業や研究機関に納めており、多種多様な要望に応えてきた。

 日立造船は、これまでの実績の中で培った技術を生かし、今後も水素社会の実現に向けて貢献して いく。

<受注概要>
発注者:清水建設株式会社(東京都中央区、井上 和幸 代表取締役社長)
納入場所:進工業株式会社(京都市下京区、岡本 直用 代表取締役社長) 小浜工場(福井県小浜市)
水素発生量:5N m³/h

 ニュースリリース