工作機械のヤマザキ、ナガセインテグレックスと業務提携

 ㈱ヤマザキ (浜松市中央区は)5月31日、㈱ナガセインテグレックス(岐阜県関市)との間で、生産工程の自動化対応機器の開発、製造、販売において、相互にシナジーを発揮し、双方の成長を実現すること を目的とした業務提携を実施することについて、5 月 31 日開催の取締役会で決議したと発表した。

■業務提携の理由
 今後の製造業界において、働き方改革や人口減少に伴う労働力不足は、顕著になることが予想されている。特に、製造業においては、労働力不足に対応するため、労働環境の改善や生産工程における自動化対応機器のニーズがますます加速することが予想されている。このような状況に対処するため、両社の技術を活用した生産工程の自動化対応機器の開発、製造、販売を目指し業務提携を実施することにした。

■業務提携の内容等
 ㈱ナガセインテグレックスは、超精密・微細加工における高い技術力を有しており、各種工作機械
の製造販売や加工技術及びシステムソリューションの提供等を行っている。ヤマザキは、各種工作機械や省力省人化を目的とした設備の設計・開発、輸送用機器部品等の製造、販売を主たる業務としている。今後、両社の技術を活用した生産工程の自動化対応機器の開発、製造、販売において相互にシナジーを発揮し、両社の成長を実現するため業務提携を行うもの。

 工作機械製造や自動車部品加工の㈱ヤマザキは研削盤メーカーのナガセインテグレックス(岐阜県関市)と業務提携した。ナガセインテグレックスが強みを持つ精密研削加工用の機械とヤマザキが手掛ける自動化機器を組み合わせ、車関連など製造業に提供する。人手不足に伴う生産現場の自動化・省力化需要を取り込む。

 ナガセインテグレックスは金属材料の研磨などに使う研削盤で定評があり、鏡面仕上げできる超精密成形平面研削盤やギア研削盤などの製品群をそろえる。電気自動車(EV)シフトが見込まれる車関連でも、駆動装置用ギアなどに研削加工の利用が見込まれる。一方で人手不足に伴い加工対象物の脱着の自動化が課題だった。

 ヤマザキが脱着作業の自動化機器を開発・製造し、研削盤と組み合わせて省力化や生産性の向上を提案する。両社で独自に販路を開拓するほか、金属加工機大手へのOEM(相手先ブランドによる生産)供給も見込む。

 ヤマザキは二輪車向け部品の不振などから2024年3月期連結決算で4期連続となる最終赤字を計上。今期は二輪以外の部品や機械需要の開拓、原価低減を進め黒字転換を目指す。新たな業務提携でシナジーを引き出し収益改善につなげたい考え。

 ニュースリリース