堺化学工業(堺市堺区)は5月27日、成長事業の収益を拡大するために、小名浜事業所(福島県いわき市泉町下川字田宿110番地)内で既設のパイロットプラント(工業化試験棟)のリニューアル、及び化粧品メイクアップ用原料の製造施設(化粧品マルチプラント)の建設を実施すると発表した。
堺化学工業は、2024 年 5 月 13 日に新中期経営計画「変革・BEYOND2030」及び「高収益体質に向けた構造改革を公表し、収益性、投資効率が高い事業へ設備投資や人的資源を集中的に投下し、事業ポートフォリオを組み換え、高収益な企業へ変革するための構造改革に着手している。構造改革の施策の一つとして国内事業所の再編を掲げて取り組んでおり、成長事業である電子材料と化粧品材料の開発促進、収益拡大を実現するために、小名浜事業所において、以下の設備投資を実施する。
<概要>
(1)工業化試験棟リニューアル成長事業である電子材料や化粧品材料をはじめ、高付加価値製品の試作をより効率的に実施出来るように、既設の工業化試験棟をリニューアルする。具体的には、使用頻度や工程フローに応じた試験設備の再配置や、固定式から可搬式装置への変更を行い、必要なエリアを確保して作業の自由度を高め、迅速な試作対応を実現。また、作業環境や汚染防止を考慮した区画整備を行い、安全管理、品質管理も更に向上させる。
・延床面積 1,620m2(地上4 階建)
・投資金額 160 百万円
・竣工 2025 年 2 月
(2)化粧品マルチプラント建設
化粧品材料の中で、板状硫酸バリウム、球状硫酸バリウム(ばりまる)や球状炭酸カルシウム(かるまる)、化粧品用蛍光体等は、同社の得意とする粉体制御技術によって得られたユニークな材料であり、長年多くのメイクアップ商品での実績があり、新たな商品への検討も進んでいる。この分野は、今後も更なる成長が見込まれるため、需要に対応するべく能力を増強した製造施設を新設する。同施設は、複数の製品を切替えて生産するコンパクトで効率性を高めたマルチプラントとし、将来の生産品目の増加にも対応し、更なる収益拡大を実現していく。
・延床面積 2,557m2(地上3 階建)
・投資金額 2,590 百万円
・竣工 2026 年2 月