㈱牧野フライス製作所が4月30日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、連結売上高は2,253億60百万円(前期比1.2%減)、営業利益163億72 百万円(同6.4%減)、経常利益189億18百万円(同5.0%減)、純利益159億81百万円 (同0.6%減)となった。
連結受注は2,133億76百万円(前年同期比14.5%減)となった。景気減速懸念や海外での金利の高止まりなどにより顧客の設備投資を控える動きが強くなり、受注が高水準であった前年度に比べ減少した。
2023年度の報告セグメント別の受注状況(現地通貨ベース)は以下のとおり。
<セグメントⅠ >( 牧野フライス製作所「個別」および国内連結子会社 )
牧野フライス製作所の国内受注は前年度を下回った。 半導体製造装置を含む一般機械向けや、自動車などの部品加工向けが大きく減少した。航空機向けは増加した。
<セグメントⅡ >( MAKINO ASIA PTE LTD )
アジアは全ての地域で前年度を下回りました。 中国では、新エネルギー車など自動車向けの一部の受注は継続したが、金型向け、部品加工向け共に減少した。インドでは、自動車の部品加工向け中心に前年度並みとなった。
<セグメントⅢ >( MAKINO INC. ) アメリカは前年度を下回った。高金利政策及び景気減速懸念により、自動車や半導体製造装置向けを中心にお客様の設備投資を控える動きが継続した。航空機向けや医療関連は堅調に推移した。
<セグメントⅣ >( MAKINO Europe GmbH )
ヨーロッパはお客様の設備投資に対する慎重な姿勢が継続し、半導体製造装置や自動車の部品加工向け、航空機向けともに前年度を下回った。
■今後の見通し
次期の受注は当期を上回る計画。上期は23年度下期の受注環境が継続することが見込まれるが、半導体製造装置や自動車向けを中心に、下期に向けて受注が増加に転じる見通し。航空機向けや医療関連の需要、人手不足や人件費高騰を背景とした自働化の需要は引き続き堅調に推移する見通し。
次期の報告セグメント別受注見通し(現地通貨ベース)は以下のとおり。
<セグメントⅠ >(牧野フライス製作所「個別」および国内連結子会社)
牧野フライス製作所の国内受注は、当期並みの計画。航空宇宙関連が底堅く推移し、下期からは 半導体製造装置向けを中心に受注が増加すると見ている。また、11月に開催される第32回日本国際工 作機械見本市(JIMTOF 2024)では、最新の大型機、5軸機を中心に一層の需要を喚起できるような提案 を行い、多くの引き合い獲得に努める。
<セグメントⅡ >( MAKINO ASIA PTE LTD)
アジアは、23年度を上回る計画。 中国は、プラグインハイブリット車(PHV)をはじめとした新エネルギー車など自動車向けが下期から増加に転じると見ている。インドは、自動車向けの受注増を図るとともに、各種金型や航空機向けなど、成長が見込まれる分野での拡販に努める。アセアンでは、半導体製造装置向けが下期に向けて増加する見通し。
<セグメントⅢ >( MAKINO INC.)
アメリカは、当期を上回る計画です。半導体製造装置向けを中心に、下期に向けて受注が増加すると見ている。航空機向けや医療関連は堅調に推移する見通し。9月に開催される米国国際製造技術 展(IMTS 2024)では、顧客の自働化ニーズをサポートできる新製品や工場自働化(FA)ソフトを中心 とした展示を予定しており、更なる受注獲得に繋げる。
<セグメントⅣ >( MAKINO Europe GmbH )
ヨーロッパは、当期を上回る計画です。航空機向けは上期から、自動車、半導体製造装置を含む一般機械向けは下期から増加すると見ている。
■2025年3月期の見通し
受注の本格的な回復は下期とみており、次期の売上・利益は減少を見込んでいる。人件費や物流費などの増加が見込まれる一方で、大型機・5軸機によるプロダクトミックスの改善、 販売単価の見直し、業務効率の改善を推し進め、利益の確保に努める。また、在庫削減や政策保有株式の縮減を通して、資産効率の改善を進める。
2025年3月期(24年度)の連結業績予想は、次のとおり。
売上高222,000百万円(前期比1.5%減 )、営業利益15,500百万円(同5.3%減 )、経常利益16,500百万円(同12.8%減)、親会社株主に帰属す る当期純利益13,500百万円(同15.5%減)
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