ヤンマーアグリジャパン、フェイガーとJ-クレジット創出に関し業務提携

 ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーアグリジャパン(以下、ヤンマーAJ)は4月26日、㈱フェイガー(以下、フェイガー社)と「水稲栽培における中干し期間の延長」によるJ―クレジット創出に関して業務提携を開始したと発表した。

 ヤンマーグループでは、持続可能な社会の実現を目指し、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を推進している。同戦略の一環としてヤンマーAJは、自動操舵システムを搭載したスマート農機の導入支援など、温室効果ガス(以下、GHG)削減に貢献するソリューションの提供を、農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」※1に沿って進めている。またフェイガー社は、生産者の脱炭素の取り組みの支援およびカーボンクレジット活用による収益化を行う日本初のスタートアップ企業。2023年度は約6,000tのクレジットについて「第58回J-クレジット制度認証委員会」において認証を受けている。

 今回の提携により、ヤンマーAJと取引のある全国の生産者の方々に対し、両社のノウハウを活用し、脱炭素型農業の推進とサポートを開始する。また、ヤンマーグループでは、提携により創出されたクレジットを用いてカーボンオフセットに取り組む。これにより、環境負荷低減と生産者の収益拡大を両立した持続可能な農業の発展に貢献していく。

■提携内容
 GHGの中でもメタンガスは気候変動に与える影響が大きく、メタンガスの温室効果はCO2の約25倍とされている。※2。また、稲作の中干し※3期間を7日間延長することにより、メタン発生量を3割削減できることが確認されている。水田からのメタン排出は、日本のメタン排出量の約4割を占めており、その抑制によるインパクトは非常に大きく、J-クレジット制度運営委員会より「水稲栽培における中干し期間延長」の方法論※4が策定されたことを受け、取り組みが拡大している。

 農業の脱炭素化に向けた関心が高まる中、ヤンマーAJは、フェイガー社のクレジット申請に係るサポート力や質の高いクレジット生成の実績を踏まえ、持続可能な農業の取り組みの一つとして、今回業務提携を行った。ヤンマーAJは全国の生産者ネットワークを生かし、生産者にフェイガー社のソリューションの紹介と利用促進のプロモーション活動を行う。

なお、クレジット申請については、フェイガー社の独自のアプリを提供するため、写真撮影とアップロードのみで申請が完了し、複雑な手続きや書類提出は不要。生産者の収益は、クレジット化の時点で、フェイガー社が最低保証額を事前に支払いし※5、想定より高値で販売できた場合には、ボーナス金額を還元する。

 詳細は、ニュースリリース