アイチコーポレーション、23年度売上は12.4%減の531億円、24年度予想は9.2%増の580億円

 ㈱アイチコーポレーションが4月23日に発表した2024年3月期(2023年度)の経営成績によると、売上高は前期を75億49百万円(前年度比12.4%減)下回る531億29百万円となった。セグメント別には、特装車売上高は前期を71億10百万円(同15.0%減)下回る402億2百万円、部品・修理売上高は前期を3億93百万円(同3.1%減)下回る123億16百万円となった。利益については、営業利益は前期を10億9百万円 (同13.9%減)下回る63億41百万円、経常利益は前期を9億97百万円(同12.5%減)下回る70億18百万円となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を6億88百万円(同11.5%減)下回る52億70百万円となった。

 アイチコーポレーション2024年3月期通期データ

 2023年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限撤廃等によるインバウンド需要の拡大や好調な企業業績を背景に日経平均株価は34年ぶりに最高値を更新し、経済・社会活動の正常化が緩やかに加速し回復基調となった。さらには、日銀のゼロ金利政策の解除もあり、長期間続いたデフレ局面からイ ンフレへ局面への転換期を迎えている。

 一方、 長期化するウクライナ情勢、 中東地域を巡る地政学的リスクの高まり、2024年問題を起因とする物流費・人件費をはじめとしたさまざまなコスト増加および中国経済の悪化等、依然として景気の先行きは不透明な 状況が続いている。

 同社グループを取り巻く環境は、2023年度から顕在化した部品調達リスクがほぼ解消していたものの、 第4四半期に主力であるトラックマウント式高所作業車用シャシの認証遅れが発生し、原材料価格やエネ ルギーコストの高止まりの影響も継続していることから、引き続き大変厳しい経営環境で推移した。

 この様な状況の中、特装車の売上は、小型自走式高所作業車については好調な建築需要を背景に前年度比で上回ったものの、トラックマウント式高所作業車についてトラックメーカのモデルチェンジに伴う供給遅延および認証遅れやそれに伴う受注活動の影響等もあり前連結会計年度比で減少した。また、 サービス事業においても同様の影響により前年度比で減少となり、売上高は前年度と比べ 減収となった。

 また、利益についても、費用の削減や製造コストの低減をはじめ、全社のムダの削減と業務の効率化等、 あらゆるコスト削減活動を行ってきたが、売上高の落ち込みの影響をカバーしきれず、前年度と比べ減益となった。

■今後の見通し
 次期の経済見通しについては、日銀のゼロ金利政策の解除によるインフレ局面への転換および2024年問題 に起因とする物流費・人件費等のコスト上昇および人手不足を背景とした供給制約等の懸念材料も見込まれ、景気の先行きは不透明な状況が継続するものと予想。次期の連結業績の予想としては、第4四半期に発生したトラックマウント式高所作業車用シャシの認証遅れの課題解決の目途も立ち、中期経営計画に掲げた、事業拡大と収益拡大の取り組みの強化に注力すること により、売上高580億円(前年度比9.2%増、営業利益71億円(同12.0%増)、経常利益76億円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益56億円(同6.3%増)を見込んでいる。

アイチコーポレーションの2024年3月期決算短信

 決算参考資料