技研製作所、24年8月期第2四半期売上は4.0%増の約155億円、24年8月期予想は2.5%増の300億円

 ㈱技研製作所が4月9日に発表した2024年8月期第2四半期(2023年9月~24年2月)連結業績によると、売上高は、15,535百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は2,417百万円(同12.6%増)、経常利益は2,590百万円(同18.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,849百万円(同34.6%増)となった。

 技研製作所グループは長期事業展望に「2031年8月期の売上高1,000億円」を掲げ、その達成に向けた数値目標や戦略を 示した「長期ロードマップ・GIKEN GOALS 2031」に基づき、全社で具体的な取り組みを進めている。

 第2四半期連結累計期間における事業環境は、国内の公共建設投資は底堅く、民間建設投資も堅調だったことか ら、顧客の設備投資が堅実に推移した。しかしながら、建設資材価格の高止まり等により公共事業における施工 規模の縮小傾向が続き、本設構造物の構築に用いる粗利率の高い製品や部品の販売に影響した。製造については、原材料や部品価格の高騰を受けて価格改定をしたが、今後も引き続き情勢を注視していく必要がある。国内における工法提案活動では、災害復旧・復興事業や防災・減災対策、国土強靭化関係を中心にインプラント工 法の普及拡大に取り組んだ。その結果、台風で崩落した国道の復旧や国道バイパスの拡幅、防潮堤構築、漁港 の護岸改良等に採用されるなど、採用案件数は順調に推移した。令和6年能登半島地震を受けた対応では、被災地の復旧・復興を支援するために1月下旬、石川県金沢市に臨時事 務所を開設した。現地調査と工法技術提案を継続しており、国内外の被災地で迅速な復旧・復興を実現してきた 圧入技術への高いニーズや期待の高まりを実感している。独自の技術力と豊富な実績を役立てることで当該地域の 一日も早い復興に貢献していく。海外売上比率7割(2031年8月期に5割)を目指す海外展開では、圧入市場の継続的発展に向け、市場形成が軌道 に乗りつつあるヨーロッパ、アジア地域を軸に市場拡大を加速する新たな事業モデルの構築を目指し、具体的な活動 を進めている。その他の地域においては圧入市場の拡大に向け、市場の創造段階から見直しを図るため、市場調査等を行い、事業拡大に向けた取り組みを進めている。

 アジア地域では、東南アジアにおいて、活発な経済活動を背景にシンガポールやタイなどで市場が順調に拡大している。中国においては、2020年に販売代理店契約および指定工場契約を結んだ河北省の大手建機販売企業「石家 庄天遠科技集団有限公司/以下、天遠社」との協働の成果として、同社にサイレントパイラーを複数台納入した。同国においても、防災・減災対策や旧市街地の上下水道等のインフラ再生工事などで多様な建設課題を解決する 圧入工法のニーズが高まる中、天遠社等の代理店との連携強化を通じて着実に市場を広げている。韓国では、現地 のユーザーに3台目となる鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」を納入した。同国では当ユーザーの強い営業力を背景に災害復旧や高速道路、護岸構築などでジャイロパイラーの市場が拡大を続けている。技研製作所グルー プはさらなる市場拡大に向け、引き続き技術指導や新工法提案などの体制を強化していく。

■セグメント業績
①建設機械事業

 国内では、鋼矢板を硬質地盤に圧入する際のオーガ装置の掘削能力、施工能率を向上する「フライホイール式パイ ルオーガ」を標準搭載した硬質地盤対応機「サイレントパイラーF112」など一般機の販売が順調に進捗した一方、 建設資材価格の高騰等が大型特殊機の販売に影響した。海外においては、市場開拓が進んでいるヨーロッパ、ア ジア地域で製品販売が進捗したほか、戦略再構築中の米国等でも従来の活動成果により一時的に売上が増加した。これにより同セグメントの売上高は11,086百万円(前年同四半期比9.9%増)、営業利益についてては、原材料費等の高騰を受けて前期に実施した製品価格改定の業績寄与が始まったことなどから2,985百万円(同15.6%増) となった。

②圧入工事事業

 国内では、工法採用が堅実に推移する中、東日本大震災復興事業における水門工事の基礎(岩手県)、平成30年7 月豪雨(西日本豪雨)で被災した肱川流域の護岸補強(愛媛県)、南海トラフ巨大地震に備えた河川護岸耐震補強工 事(愛知県)、発電所の防水壁構築(岐阜県)等において工事が順調に進捗した。しかしながら、海外における 連結子会社の1社減少などにより、圧入工事事業の売上高は4,448百万円(前年同四半期比8.2%減)、営業利益は 638百万円(同23.3%減)となった。

■2024年8月期の見通し
 通期の業績予想については、2023年10月11日公表の業績予想(下記)から変更していない。
 2024年8月期の業績については、売上高30,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益3,300百万円(同10.6%増)、経常利益3,400百万円(同11.1%%増、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円(同183.4%増)。

技研製作所の2024年8月期第2四半期決算短信

 第2四半期決算説明資料