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東レ、サウジアラビアの大型海水淡水化プラント向けに逆浸透(RO)膜を受注

 東レは2月27日、サウジアラビア王国のヤンブ4海水淡水化プラント向けに、逆浸透(RO)膜を受注した発表した。製品ならびに技術サービスの提供は、東レグループ現地子会社であるToray Membrane Middle East LLC(所在地ダンマン、略称、TMME)が担う。世界中のエネルギー安定供給を支える中東や北アフリカ地域の水不足解決に貢献していく中での受注となった。

 今回の受注は、東レの中東での15年以上にわたる堅実な実績の積み上げが高く評価されたもので、従来の蒸発法と比較して設備費や運転コストの低減を実現している。

 ヤンブ4海水淡水化プラントは、サウジアラビア王国の紅海側マディーナ行政区の西140kmに位置する。造水能力は45万m3/日で、完成後はマディーナ行政区ならびに巡礼地として有名なメッカに飲料水を供給する。同国の官民連携による海水淡水化プラントでは初となる太陽光などクリーンエネルギーを使用する。湾岸諸国は人口増加による水需要の高まりにこたえるべく積極的なインフラ投資を行っており、ヤンブ4海水淡水化プラントは蒸発法からRO膜法へのパラダイムシフトの一例。

 東レは、長年にわたり、RO膜の生産・販売・技術サポート体制の拡大により、世界中の水問題の解決に貢献してきた。その用途は、海水淡水化をはじめ、廃水再利用から工業用途にまで及ぶ。これまでの累計出荷数量は、生産数量ベースで1億2,000万m3/日であり、生活用水換算で8.4億人相当の需要をまかなえる量に相当するまでに拡大した。

 東レは、2050年に目指す世界を示した「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」や、持続的かつ健全な成長の実現に向けた長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030″の中で、安全な水の提供を東レグループが取り組むべき課題として掲げている。今後も、RO膜をはじめとした最先端の膜技術を提供し続けることや、需要地での技術サービスをより一層強化することにより、産業拡大、人口増加により今後ますます水需要が拡大することが見込まれる中東地域をはじめ世界の水問題解決に貢献していく。

<ヤンブ4海水淡水化プラントの概要>
場所:サウジアラビア王国 マディーナ行政区
造水量:45万m3/日
稼働予定:2024年度上半期
デベロッパー:ENGIE(仏、40%), Nesma(サウジアラビア王国、30%) and Mowah(サウジアラビア王国、30%)
建設業者:Doosan Enerbility (韓国)

 ニュースリリース

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