建設機械、2023暦年データ(生産統計、出荷統計、貿易統計)

・日本国内の2023年統計データ

 経済産業省・機械統計(海外生産は除く)、日本建設機械工業会・出荷額統計、財務省・貿易統計(中古車含む)について、例年閲覧数が多いこともあり、急遽2023年の暦年データを元にグラフとPDFに整理してみた。

<生産統計>

 経済産業省機械統計によると、2023年(112月、確報ベース)の建設機械生産金額は前年比2.0%増の19,508億円、生産数量は同6.5%減の432,818台となった。主な機種別では、トラクタ(*実質はホイールローダ)の生産金額は前年比18.0%増の1,181億円、数量は同13.1%増の13,343台となった。

 掘削機械のうちトンネル機械を除くショベル系(油圧式)の生産金額は2.8%増の1兆5,312億円、数量は同2.3%増の238,740台となった。うち油圧ショベルの生産金額は同1.1%減の1兆553億円、数量は同3.3%減の92,717台。ミニショベルの生産金額は同10.7%増の4,759億円、数量は同7.0%増の146,023台となった。建設用クレーン全体の生産金額は同17.5%増の2,057億円、数量は同21,7%増の15,814台となった。

 

 建設機械生産金額(2023年:機械統計)

 建設機械生産台数(2023年:機械統計)

<出荷額統計>

 日本建設機械工業会によると、2023年(1~12月)の出荷金額の内需は 8.7%増加の 1 兆 1,294 億円、外需は15.4%増加の 2 兆 6,618 億円。その結果、内需は 2 年連続の増加、外需 は 3 年連続の増加となった。総合計では 13.3%増加の 3 兆 7,912 億円となり、3 年連続の増加となった。

■内需8.7%増の 1 兆 1,294 億円、 2 年連続の増加

 内需を機種別に見ると、トラクタ 28.8%増加の1,392 億円、油圧ショベル 7.2%増加の3,319 億円、ミニショベル 10.8%増加の 913 億円、建設用クレーン 8.9%増加の 2,138 億円、道路機械 1.8%増加の 381 億円、コンクリート機械 17.6%増加の 348 億円、基礎機械 0.2%増加の 377 億円、油圧ブレーカ・圧砕機 6.4%増加の 258 億 円の 8 機種と補給部品 4.3%増加の 1,418 億円が増加となった。

■外需は15.4%増加の 2 兆 6,618 億円、3年連続の増加

 外需を機種別に見ると、トラクタ 16.2%増加の 3,098 億円、油圧ショベル 18.2%増加の 1兆 634 億円、ミニショベル 22.5%増加の 4,715 億円、建設用クレーン 47.5%増加 の 1,309 億円、道路機械 12.3%増加の 454 億円、コンクリート機械 1.3%増加の 13 億円、その他建設機械 15.4%増加の 3,630 億円の 7 機種が増加となった。

 地域別に見ると、全 9 地域中、中国、CIS その他東欧を除いた 7 地域で増加した。3 大輸出先(アジア、欧州、北米)の中でも、最大輸出先である北米は 31.7% 増加と大きく増加した。

 建設機械出荷金額(2023年:日本建設機械工業会)

 建設機械国内出荷台数(2023年:日本建設機械工業会)

<貿易統計>

 貿易統計、2023年の建設用・鉱山用機械の輸出は16.2%増の1兆9,648億円、アメリカ向けは28.4%増の9,473億円

 財務省が1月24日に発表した貿易統計(確報)によると、2023年(1~12月)の建設用・鉱山用機械輸出額は前年比16.2%増の1兆9,648億円(億円以下切捨て)となった。

 地域別によると、アメリカ向けは前年比28.4%増の9,473億円、EU向けは同15.7%増の3,169億円、アジア向けは同4.1%増の2,521億円。この3地域で建設用・鉱山用機械全体の77%(2022年=74%)を占めた。アジア向けのうち、中国向けは同35.4.%増の149億円、ASEAN向けは同2.4%増の1,578億円、韓国向けは同11.2%減の149億円となった。

 主力機種である油圧ショベル(新車)の金額は、同20.6%増の8,805億円、数量は同3.8%増の53,936台となった。仕向地別では、台数で53%、金額で52%を占める最大の輸出先であるアメリカ向けは、金額では前年比21.1%増、2位のオランダは14.1%増、3位のオーストラリアは21.7%増となった。次いで、ベルギー、インドネシアの順。数量ベースでは、アメリカ、オランダ、オーストラリア、ベルギー、インドネシアの順。

 油圧ショベル(中古車)の金額は、同0.8%増766億円、数量は同2.6%減の18,026台となった。金額ベースによる上位輸出は、ベトナム、台湾、アメリカ合衆国、フィリピン、香港、タイの順。台数ベースの上位輸出先は、ベトナム、台湾、フィリピン、タイ、マレーシア、香港の順。

 ミニショベル(新車)の金額は、同19,3%増の4,088億円、数量は同4.1%増の101,607台。金額ベースによる上位輸出先は、アメリカ、オランダ、オーストラリア、英国、カナダ、タイ。台数ベースは、アメリカ、オランダ、オーストラリア、英国、フランスの順。

 ミニショベル(中古車)は同19.4%減の153億円、数量も同19.4%減の15,103台となった。金額ベースによると、上位輸出先は、台湾、ベトナム、中華人民共和国、フィリピン香港の順。数量では、ベトナム、台湾、フィリピン、タイ、マレーシアの順となっている。

 2023年の建設用・鉱山用機械輸出実績 

 建設用・鉱山用機械の輸出推移(5年間)

 油圧ショベル貿易統計(2023年:財務省)

 ミニショベル貿易統計(2023年:財務省)

 *統計類は、速報ベースのため、年計では数字が異なる場合もあります。

 以上