・浸漬冷却技術を商用化した台湾拠点の有力スタートアップXING Mobilityの持株会社
㈱クボタは12月20日、EV等の電動製品の性能向上に欠かせないバッテリーシステムの開発に強みを持つ台湾のスタートアップ企業、XING Mobility Inc. (ジン・モビリティ 本社:台北市 以下、XING社)を傘下にもつ持株会社XING Technology Inc.(本社:ケイマン諸島)に出資することを決定したと発表した。
■背景とねらい
産業機械分野のカーボンニュートラルの方策の一つが電動化だが、製品の出力や連続稼働時間などを左右するバッテリーシステム*1の性能向上や安定的な調達ルートの確保は多くの企業にとって重要な課題。
クボタにおいてもトラクタや小型建設機械などの電動化に向けた技術開発を進めているが、農地や建設工事現場などの過酷な環境下での高出力運転を求められるため、これらの製品に適合するバッテリーシステムの開発・確保は大きな課題。
XING社はさまざまな形状・種類のバッテリーセル(電池の最小単位)をバッテリーシステムに組み込むことができる開発力や、バッテリー性能を引き出す温度管理や経年劣化を抑制するのに欠かせない冷却技術に強みをもつバッテリーシステム専業メーカーであり、これまでトラックや鉱山機械、蓄電システムなどに採用された実績がある。
クボタはXING社が商用化した浸漬冷却技術*2や顧客ごとのカスタマイズにも対応可能な開発力を高く評価しており、同社の持株会社であるXING Technology Inc.に出資することにした。
今回の出資を通じてXING社との連携を強化し、クボタの電動化製品の開発の加速はもとより、将来的には多くの産業機械メーカーの課題を解決するバッテリーシステムを開発・外販することも視野に、電動化による産業機械分野のカーボンニュートラル実現を目指していく。
*1.バッテリーやソフトウェア、冷却機構などをユニット化したもの
*2.バッテリーセルを冷却液(オイル)に浸漬して直接冷却する技術。一般的な空冷式と比べて確実・均一に冷却することで、バッテリー寿命を延ばすことができる。また、万が一の発火時の類焼を予防できる。
<XING Mobility社の概要>
社名:XING Mobility Inc.
代表者:Royce YC Hong
株主構成:XING Technology Inc.(100%)
設立:2015年
所在地:台湾 台北市
事業内容:バッテリーシステムの開発、設計、製造、販売
従業員数:65名(2023年8月時点)
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