愛三工業、約85億円投じて「安城新工場(仮称)」を建設

・持続可能なものづくり変革に向けた新工場建設

・製造業の抱える課題解決に向けカーボンニュートラルとDX実現を推進

 愛三工業(愛知県大府市)は12月14日、2025年4月の竣工に向け「安城新工場(仮称)」を建設すると発表した。新たな拠点として、地域社会や自然環境と共存・共栄し、快適な労働環境の中で、革新的なものづくりを目指す。

 近年、あらゆる経済活動において資源やエネルギーの消費量を抑え、限りある資源を有効活用しながら付加価値の最大化を図る、循環型の経済社会活動であるサーキュラーエコノミーへの転換に注目が集まっている。こうした環境変化の中、愛三工業は循環性の高い事業活動への転換を積極的に進めており、環境と会社成長の好循環につなげる施策として、安城工場隣接地に新工場を建設し、新しいものづくりに挑戦する。環境対応や人手不足など、製造業の抱える課題の解決に挑戦し、100年に一度の大きな変革期にある自動車産業を支えていく。

 新工場は「ものづくり変革への挑戦」を掲げ、①カーボンニュートラル ②高付加価値な働き方 ③新たな価値提供を目指す。物流を含め24時間止まらない全自動ラインの構築・運用や、作業者とロボットが一緒に働く協働ロボットを活用した高効率な生産活動、デジタルデータやIoTを駆使した品質保証など、革新的なものづくりの取り組みに挑戦する。またカーボンニュートラルを目指すエネルギー循環の取り組みでは、自社開発のアンモニア・水素発電による電力安定供給実証の実施、愛知県初となる帯水層蓄熱空調システムによる自然エネルギーの活用など、ものづくりとカーボンニュートラルの両立を実現する最新技術を活用して作業者が活力にあふれ、イノベーションの創出に挑戦できる働きたくなる場所を構築する。

<新工場の概要>
名称:愛三工業株式会社 安城新工場(仮称)
所在地:愛知県安城市東端町明祥北20番 他
主要施設:生産工場棟、検査棟、守衛所、駐車場、緑地ビオトープ
敷地面積:約33,000㎡
建物:鉄骨造2階建て、延床24,815㎡ 建築面積13,236㎡
総工事費:約85億円(※土地、生産設備投資除く)
着工時期:2024年2月予定
操業開始時期:2025年5月より順次開始予定
主な製造製品:水素関連製品・電動化製品等

■新工場の特長

・カーボンニュートラルの取組み
 愛知県初の導入となる地下水を活用した帯水層蓄熱空調システムや環境配慮型電気設備の導入、管理オフィスエリアのゼロエネルギービル化(ZEB)、太陽光発電や水素発電由来などのクリーン電力の使用を総合的に制御するエネルギーマネジメントシステム活用により、カーボンニュートラルモデル工場を実現する。

アンモニアを活用した燃料電池発電実証
 同社の培ってきた技術を活用し、アンモニアから取り出した水素を用いて燃料電池で効率的に発電するシステムの実証を行う。エネルギー効率の高い水素発電に関わる技術開発を進め、将来の水素社会の実現に貢献することを目指す。

革新ものづくり
 製造現場におけるIoTを基盤にDXを実現し、作業者を介さない24時間全自動の製造ラインを構築する。また、協働ロボットを活用して多品種製造に対応するマルチな組付けラインの活用を実現し、製造業が抱える人手不足の解決に貢献し、作業者が仕事の付加価値を向上させ、イノベーションを生み出す職場環境を整える。

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