・ブラックマスからのレアメタル精製事業化への次のステップへ
三菱マテリアル(東京都千代田区)は12月 6日、リチウムイオン電池(以下、LIB)リサイクル技術の確立に向けた次のステップとして、さらなる開発の為にパイロットプラントを建設すると発表した。
LIBの材料であるリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルは近い将来の供給不足が懸念され、産業界全体における成長戦略の重要な課題となっており、地下資源の開発に加え、材料のリサイクルや代替材料の開発などの対策が行われている。
三菱マテリアルにおいては、ブラックマス(*1)からリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルを回収・精製する事業化に向けて、これまで小規模試験による技術開発を行ってきた。今回、一定の成果が得られたことから、次のステップとして、福島県いわき市の小名浜製錬㈱小名浜製錬所の敷地内にパイロットプラントを建設して、ブラックマスからのレアメタルの高効率回収の事業化に向けた、さらなる技術開発に取り組む。
(*1)LIBを放電・乾燥・破砕・選別したリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓。なお、本パイロットプラントの建設に伴う技術開発については、経済産業省から「重要鉱物の供給確保計画」の認定(供給確保計画認定番号:2023重要鉱物第1号-1)による助成を受け進めていく。
三菱マテリアルグループは「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを私たちの目指す姿と定めている。これからも当社のリサイクル技術を活用し、循環型社会の構築に貢献していく。
<パイロットプラント概要>
原料:LIB由来のブラックマス
生産物:電池グレードの炭酸リチウム、硫酸ニッケル、硫酸コバルト
稼働開始時期:2025年
場所:小名浜製錬株式会社 小名浜製錬所敷地内(福島県いわき市小名浜字渚1-1)