・ターミナル間を結ぶ既設2路線システムをリプレイス、最長30年間のO&Mも受注
・2018年納入の新設・既設路線工事に次ぐ受注、同空港の全路線が三菱重工製のAPMに
・三菱重工グループがグローバルに連携、APM供給からO&Mまでワンストップサービスで高付加価値を提供
三菱重工業は10月31日、米国フロリダ州・オーランド国際空港(Orlando International Airport)向けに、全自動無人運転車両システム(APM:Automated People Mover(注))既存2路線のリプレイス工事および同APMの運行・保守(O&M:Operations & Maintenance)を受注したと発表した。統括拠点である米国三菱重工業(MHIA:Mitsubishi Heavy industries America, Inc.)と、米国で空港向けAPMのO&Mを手掛ける三菱重工グループのCrystal Mover Services, Inc.(CMSI、本社:フロリダ州マイアミ)を通じ、オーランド空港公団(GOAA:Greater Orlando Aviation Authority)との間で契約を締結したもの。
同空港は、2つのメインターミナルと5つのサテライトで構成されており、今回の契約により、ターミナルA・Bと第2・第4サテライトをそれぞれ結ぶ約0.6kmのAPMシステム(A2路線/B4路線)をリプレイスする。三菱重工はシステム設計と車両製造を手掛け、4編成・計12両の新車両については広島県の三原製作所で製造する。営業運転開始後は、CMSIが最長30年間(初期契約10年+10年契約のオプションを2回)のO&Mを担当する。
三菱重工は、2014年にも同空港向けに、都市間鉄道と接続する複合交通ターミナルとメインターミナルを結ぶ全長約2.3kmのAPM新設工事と、メインターミナルと第1・第3サテライトをそれぞれ結ぶA1路線/B3路線のリプレイス工事を受注した。2018年の納入後は、CMSIが約5年にわたってO&Mを履行している。
三菱重工グループは、今後も世界各国のサービス拠点と連携し、顧客ニーズに応える付加価値の高いサービスや、三菱重工のデジタルイノベーションブランドである「ΣSynX Supervision」の遠隔状態監視技術などの新ソリューションを提供していく。また、CO2を排出しないクリーンな輸送手段であるAPMの納入を通じ、世界各地の経済発展、交通利便性向上といった地域課題への対応と解決策の提供を目指すとともに、カーボンニュートラル社会の実現にも貢献していく。
(注)ターミナル間および空港周辺施設への移動用として世界各地で利用されている交通システム。
■Crystal Mover Services, Inc.(CMSI)について
CMSIは、三菱重工の米国統括拠点であるMHIAと住友商事の共同出資会社。2009年1月の発足以降、三菱重工グループが米国のマイアミ、ワシントン・ダレス、アトランタ、オーランド、タンパの各国際空港に納入した全てのAPMのO&Mを手掛け、安定で安全な運行に貢献している。