日立建機、建設現場向け可搬式充電設備事業の協業に関する覚書を締結

・先進的な取り組みが進む欧州市場を中心に、ゼロ・エミッション分野で協業を推進

・アルフェン社(オランダ)の可搬式充電設備から給電する日立建機のバッテリー駆動式ショベル

 日立建機は10月24日、Alfen B.V.(本社:オラン ダ・アルメール、以下、アルフェン社)および伊藤忠商事と、10 月 19 日、欧州の建設現場のゼロ・エミッション実現に向けて、建設現場向け可搬式充電設備事業で協業する覚書を締結したと発表した。

 この協業覚書の締結に基づき、2024 年より、日立建機の販売・サービス子会社である日立建機ヨーロッ パは、同社の販売ネットワークで欧州市場にアルフェン社の可搬式充電設備を販売・レンタルする予定。 また、その調達するスキームにおいて、伊藤忠商事およびその海外現地法人が、日立建機ヨーロッパや販売代理店にファイナンス機能の支援や協力を行う。3 社は、将来的に欧州以外の地域への拡販や使用 済み可搬式充電設備のリユース・リサイクル、建設現場のゼロ・エミッション実現支援とエネルギー使用効率化に向けたソリューション提供も含めたビジネスモデルを検討する。

(1)締結の背景
 近年、建設現場では、稼働時に二酸化炭素などの温室効果ガスを出さない電動建機に対する関心が高まっている。特に欧州市場は、地球温暖化対策や低炭素社会の実現に向けた規制が世界的に厳しい市場の 一つであり、電動建機に対するニーズが強い地域。一方、建設機械は近隣に充電設備や仮設電源がない場所で使われることが多く、作業が終わると別の建設現場に移動することから、大掛かりな充電設備をその都 度設置することは効率的といえない。そのため、建設現場におけるゼロ・エミッションの実現には可搬式充電設備の提供が必要不可欠であり、本件の覚書締結に至った。アルフェン社の可搬式充電設備は 10 フィートコ ンテナの大きさのため、欧州ではコンテナ輸送と同じように車で移動でき、満充電で 13t クラスのバッテリー駆動式 ショベル 2 回分相当の充電が可能。

(2)目的・内容
・建設現場向け可搬式充電設備の取扱いに関し、3 社で覚書を締結し、建設現場でのゼロ・エミッション実現に 向けて協業する。
・今後の事業での経験を生かし、その他市場への横展開を検討する。

(3)役割
・日立建機:可搬式充電設備の販売、レンタル
・アルフェン社:可搬式充電設備の製品開発・生産・納入、メンテナンス※アルフェン社ホームページ www.alfen.com :

・伊藤忠商事:可搬式充電設備の販売・ファイナンス・レンタル支援、建設現場での蓄電システムの構築・調達、蓄電システムのリサイクル・リユース

 日立建機は、2022 年 8 月に日本産業パートナーズと伊藤忠商事が共同出資する特別目的会社と資本提携契約を締結し、建設機械・鉱山機械の販売・物流・ファイナンス・レンタル・中古販売など、あらゆる分野での協業を進めている。建設現場のゼロ・エミッション分野においては、日立建機は、持分法適用会社 KTEG GmbH(以下、KTEG 社)と共に、都市土木向けバッテリー駆動式ミニ・小型ショベル 4 機種を欧州 市場で展開中。しかし、建設現場でのゼロ・エミッションを実現するためには、建設機械の電動化のみならず、 その充電設備などのインフラ整備および効率的な運用を行う必要がある。日立建機は、9 月 21 日に発表 した「建設現場におけるゼロ・エミッション化を促進するための体制を強化」する一環として、本協業を通してパートナー企業を増やすことにより、すでに KTEG 社が販売する可搬式充電設備の KTEG Power Tree に加えてライン アップやサービスメニューを拡充し、急速に関心が高まる建設現場全体のゼロ・エミッション実現への貢献を加速していく。

■ 日立建機について
 日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの 事業をグローバルで展開している建設機械メーカー。新車販売事業に加えて、部品・サービス、再生 (部品・本体)、レンタル、中古車の「バリューチェーン事業」を拡大し、革新的なソリューションを顧客に 提供する真のソリューションプロバイダーとして、顧客と共に成長をめざす。世界に約 25,000 人の従 業員を擁し、2022 年度(2023 年 3 月期)の連結売上収益は 1 兆 2,795 億円、海外売上収益比率 は 82%。

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