NTN、和歌山製作所が本格稼働を開始

・EV向け商品など高付加価値商品の生産に対応

・NTNのスマートファクトリの実践工場として、生産効率の向上に注力

 NTNは10月18日、ベアリングの新たな生産拠点として和歌山県橋本市に設立した和歌山製作所が本格的に稼働を開始したと発表した。今後は、国内におけるボールベアリングの主力工場のひとつとして、高付加価値商品の生産を通じて需要の増加が見込まれるEV(電気自動車)に対応するとともに、供給力の強化による補修事業の販売拡大に取り組んでいく。

 10月12日に開催した落成式には、和歌山県の下宏副知事、橋本市の平木哲朗市長をはじめ、地元の関係者が出席、テープカットを行った。下副知事は、「従業員の(橋本市などへの)移住や関連企業の誘致による地域への経済効果に期待しています。」と挨拶。また、NTNの鵜飼英一執行役社長は「世界中のNTNグループの生産拠点の模範として、当社の未来、そして和歌山県や橋本市への地域貢献につながる工場にしていきます。」と意気込みを語った。

 和歌山製作所は、NTNが目指すスマートファクトリのコンセプトを基に「NTN STAR WORKS WAKAYAMA」と愛称を付けており、今後はスマートファクトリの実践工場として、「整流化」「自動化・自律化」「ハイレスポンス」の実現を目指していく。現在は、在庫など各種データの「見える化」や無人搬送車などによる工程間搬送の自動化、自動倉庫からの出庫データを用いた生産計画の自動生成など省人化や自動化により、生産効率の向上に取り組んでいる。

 さらに、環境にも優しい工場としてCO2フリー電力を100%採用するほか、電熱式熱処理の採用、敷地内に設置した「N3エヌキューブ」や「NTNグリーンパワーステーション」による太陽光パネルや風車から発電した再生可能エネルギーの活用など、積極的にCO2削減の取り組みも進めている。

 NTNは、和歌山製作所の稼働を通じて、顧客へタイムリーに高品質な商品を提供し、NTNブランドの向上を図ることでさらなる成長につなげるとともに、環境保護や地域の発展にも貢献していく。

<和歌山製作所 概要>
名称:NTN株式会社 産業機械事業本部 和歌山製作所
愛称:NTN STAR WORKS WAKAYAMA
竣工:2019年10月
所在地:和歌山県橋本市
敷地面積:約109,100m2
延床面積:約60,100m2
従業員数:383人(2023年10月時点)※河内長野市の拠点勤務者(209名)含む
事業内容:ベアリング(軸受)、ベアリングユニットの製造

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