エプソンアトミックス、55億円を投資し新工場の建設を開始

・環境ビジョン 2050「地下資源(※)消費ゼロ」達成に向け、不要な金属を原料として資源化する金属精錬工場を八戸北インター工業団地に建設

 セイコーエプソン(以下 エプソン)のグループ会社であるエプソンアトミックス(青森県八戸市)は10月12日、建物・生産設備に約55億円を投資し、不要となった金属を金属粉末の原料として資源化する金属精錬工場の建設を開始すると発表した。新工場は、2022年7月に八戸市と土地売買契約を締結した「八戸北インター工業団地 16号区画」に建設する。同日地鎮祭を執り行い、2023年10月5日に着工、2025年6月の稼働を目指す。

 エプソンは、「環境ビジョン 2050」において、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※)消費ゼロ」を達成し、持続可能でこころ豊かな社会を実現することを目指している。また、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」では、環境への取り組みとして環境技術開発により、金属や紙などの原料リサイクルを進め、そこから生み出された技術やソリューションを使い、新たな環境ビジネスを創出することを掲げている。

 アトミックスは、今後の地下資源減少や金属原料の価格高騰などによるバージン原料の入手が困難となるリスクも考えられることから、金属の資源循環を実現する金属粉末製造を確立していくために、新たに工場を建設するもの。

 新工場は、不要となった金属を金属粉末製品の原料として再生する工場として、金属を溶解する高周波 誘導炉や金属の不純物を取り除く AOD 精錬炉、インゴット(塊)に固める鋳銑機などを導入する。

 この新工場では、アトミックス内の製造工程で規格外となった金属粉末製品や工場内から排出される金 属くず、エプソングループが排出する金属端材・使用済み金型など、不要となった金属をアトミックスの 金属粉末製品の原料として再資源化する。新工場稼働により高炉製純鉄などのバージン原料を再生金属 原料に置き換え、地下資源の保護と CO 2 排出量の削減に貢献する。

 アトミックスでは、新精練プロセスの導入により、次世代高機能粉末の開発を強化し、磁気特性やアモ ルファス形成能力を向上させ、次世代の省電力・小型デバイスの実現に寄与する。

 また、エプソングループの「環境ビジョン 2050」に基づく「地下資源※ 消費ゼロ」を目指す取り組み の一つとして、金属の資源循環可能な拠点を目指す。

※:原油、金属などの枯渇性資源

<新工場概要>
所在地:青森県八戸市北インター工業団地 四丁目 111 番
投資額:約 55 億円(建物・生産設備など。土地を除く)
面積:約 29,000 ㎡(土地)
建屋:工場棟 約 3,617 ㎡、受変電棟 約 345 ㎡、事務所約 356 ㎡ 設 備:高周波溶解炉、AOD 精練炉、鋳銑機 など

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