安川電機、23年3〜8月売上は9.7%増の2,890億円、通期予想4.3%増の5,800億円は変えず

 安川電機が10月7日に発表した2024年2月期第2四半期(2023年3~8月)連結業績によると、売上収益は、売上収益は前年同期比9.7%増の2,889億78百万円、営業利益は同5.8%増の330億62百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同2.2%増の242億28百万円となった。

 第2四半期における安川電機グループの経営環境は、製造業全般における生産の高度化・自動化を目的とした設備投資が底堅く推移した。その一方で、半導体・電子部品向けの需要は低迷し、中国市場の回復鈍化によって設備投資が伸び悩むなど、グローバルに慎重な姿勢が強まった。

 このような環境において安川電機グループの業績は、部品不足などのサプライチェーンの混乱により 遅れていた生産が正常化し、受注残の着実な消化によって売上を拡大したことで増収となった。

 利益面については、昨年度に一時的に発生した退職年金制度の変更や遊休不動産の売却などに伴うその他の収益がなくなった影響を受けたが、高騰した原材料費などの価格転嫁による採算性の改善に加え、売上増加による利益増加や為替の円安影響などによって増益となっはた。

■地域別の経営環境
日本:半導体市場においてメモリ価格の下落に伴う在庫調整が継続するなど、需要は軟調に推移した。
米国:自動車やオイル・ガス関連などの設備投資や一般産業分野における自動化投 資は継続したものの、調整局面にある半導体市場が低調に推移するなど、需要は伸び悩んだ。
欧州:EVなどの成長市場において設備投資が継続したものの、景気後退の影響を受け需要は減速した。
中国:太陽光発電用パネルなどの成長市場において設備投資は継続したが、市場全体の回復鈍化により、製造業全般の需要は伸び悩んだ。
中国除くアジア:アセアン各国やインドにおいてインフラ関連や一般産業分野などで新規設備投資が増加した一方、韓国・台湾などで半導体関連需要が落ち込んだ。

■セグメント別の状況
<モーションコントロール>

 売上収益1,369億12百万円(前年同期比+12.9% )/営業損益204億21百万円(前年同期比+29.3% )

 モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成 。

モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成 されている。売上収益は半導体・電子部品向けが伸び悩んだものの、生産の正常化によって販売が伸長したことか ら増収となった。利益面については昨年度来高騰した原材料費の価格転嫁などによる採算性の改 善により増益となった。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 中国において太陽光パネル製造装置向けの販売が伸長した一方、米国・韓国・日本などで半導体・電子部品向けの需要が低迷した影響を受け、売上収益は減少した。
〔インバータ事業〕 生産が正常化したことで受注残の消化が進み、グローバルで販売が伸長した。また、米国のオイ ル・ガス関連や大型空調(HVAC)関連の需要が好調に推移し、アセアン各国やインドにおいてもインフ ラ関連需要が徐々に回復するなど、売上収益は大幅に増加した。

<ロボット>

 売上収益1,123億56百万円(前年同期比+8.5% )/営業損益129億95百万円(前年同期比+19.3% )
 グローバルにEV関連の設備投資が継続したことに加え、欧米などの一般産業分野において、人件費高 騰・労働力不足を背景に生産の高度化・自動化を目的とした投資が底堅く推移した。これらの需要を的確に捉え、i3-Mechatronicsソリューションによる高付加価値提案を行うとともに、部品の内製化などによる生産の効率化や価格転嫁による採算性の改善を進めた。これらの結果、売上収益・営業利益はともに前年同期比で増加した。

<システムエンジニアリング>

 売上収益268億97百万円(前年同期比+9.3% )/営業損益11億71百万円(前年同期比+22.0% )

<その他>
 売上収益128億11百万円(前年同期比△8.7% )/営業損益8百万円(前年同期比△97.6% )

 その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されている。売上収益・営業利益ともに前年同期比で減少した。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2023年9月1日から2024年2月29日までの期間における平均為替レートについては、足元の為替状況を考慮し、2023年4月7日公表の計画から見直した。見直し後の平均為替レートは、1ドル= 130.00円から145.00円、1ユーロ=140.00円から155.00円、1元=19.00円から20.00円、1ウォン= 0.100円から0.110円とした。

 なお、2024年2月期通期連結業績予想については、主要市場において需要が伸び悩んでいるものの、受注残の確実な消化や価格転嫁の促進などにより2023年4月7日に公表(下記)した計画を据え置いた。

 通期連結業績予想は、売上収益5,800億円(前期比4.3%増)、営業利益700億円(2.5%増)、税引前利益727億円(2.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益513億円(0.9%減)。

 安川電機の2024年2月期第2四半期決算短信

 第2四半期業績概要