酉島製作所(トリシマ)、Waterise社が深海での海水淡水化プラント実現に向け協業

 ㈱酉島製作所(以下、トリシマ)は9月21日、ノルウェーの Waterise 社が開発する深海の海水淡水化プラントに、主要なポンプ設備を提供する協業契約を締結したと発表した。

 Waterise社は、深海で逆浸透膜(Reverse Osmosis, RO)を利用した海水淡水化プラントを開発(設計・設置・運営)する企業で、このプラントは深海での水圧を利用し逆浸透膜を通して海水を透過水(真水)にする画期的な海水淡水化システムとなる。今回、海底から地上まで真水を送水する深海用ポンプなど、Waterise社の海水淡水化モジュールで使用される主要なポンプをトリシマが独占的に開発・供給する契約となル。

 従来の陸上 ROプラントに比べて、エネルギー消費量 (Specific Energy Consumption) が40% 削減され、必要な土地が80%削減されるなど多くの利点を有するシステム。また約 500メートルの深海に設置するため、ROシステムの膜に入る海水は不純物を含まず、温度も一定なことから従来のプラントで必要とされる高いレベルの化学処理などの前処理工程が不要。そのため、排出される濃縮海水の環境への負荷も大きく低減される環境に優しいシステムとなル。

 以下、本契約締結に際する両社の状況とコメント。

■トリシマの海水淡水化事業

 海水淡水化市場にエンジニアリング・ポンプをグローバルに供給するリーディング・カンパニーであり、そのポンプは中東、北アフリカ、オーストラリアなど、世界中のほぼすべての主要な淡水化プラントで使用されている。経済産業省から、海水淡水化プラント向けの「RO高圧海水供給ポンプ」で2020年版「グローバルニッチトップ(GNT)企業100選」に認定された。

■Waterise社について
海水淡水化市場に RO 技術の革新的な利用をもたらすことをめざすノルウェーの企業。既存のRO技術とノルウェーの石油・ガス業界の深海でのノウハウを活用している。このシステムはエネルギーと土地の使用量の両方を削減し、モジュール化された設計により標準化できるため、コスト効率が高く、迅速に構築できる。Wateriseシステムは、従来のROプラントの半分の時間で給水準備が完了する。

 詳細は、ニュースリリース