日立造船、原子力発電所の使用済燃料貯蔵容器の製造・販売事業を買収

・子会社 NAC International が、カナダ NIAGARA より

日立造船は6月20日、100%子会社で、原子力発電所の使用済燃料や放射性廃棄物の輸送・貯蔵容器の設計、輸送、管理など、総合的なサービスを提供する NAC International Inc.(米国ジョ ージア州、以下NAC)が、100%子会社となる NIAGARA ENERGY PRODUCTS, Inc.をカナダオンタリオ州に設立し、同社を通じて NIAGARA ENERGY PRODUCTS(オンタリ オ州、以下NEP)から、使用済燃料や放射性廃棄物の乾式貯蔵容器の製造・販売事業を買収したと発表した。

 カナダでは、脱炭素の観点からも原子力発電を重要電源として位置付けており、次世代炉である小型モジュール炉(SMR:Small Modular Reactor)の導入に向けた技術開発も積極的に行われている。また、オンタリオ州にはカナダの 4 つの原子力発電所(21 炉)の内、3 つ(20 炉)があり、乾式貯蔵容器の需要が今後も継続的に発生することが見込まれている。

 NEP は、1980 年代から高レベル放射性廃棄物の乾式貯蔵容器製造に携わり、これまでに 3,000 基以上の乾式貯蔵容器をカナダの原子力発電所に納めている。

 日立造船は 1978 年に国産初となる使用済燃料の輸送容器を製造して以降、国内外に数多くの輸送・貯蔵容器を納入してきたが、NAC による今回の事業買収を全面的にサポートし、グル ープ一体となって北米および日本からの製品供給体制を構築していく。また、国内では、 2022 年 10 月に東京電力ホールディングスと合弁で、福島県で廃炉に必要な様々な機器の製造を 行う東双みらい製造を設立するなど、国内外における放射性廃棄物用容器の No.1サプ ライヤーを目指していく。

<新会社の概要>
社 名:NIAGARA ENERGY PRODUCTS, Inc. ※ 買収元の社名には「,Inc」がつかない。
株主:NAC International Inc. 100%(日立造船 100%間接子会社)
代表者:Tony Morris, President
所在地:カナダ オンタリオ州 ナイアガラフォールズ
従業員数:約 90 名
事業内容:放射性廃棄物乾式貯蔵容器の製造・販売など
製造拠点:ナイアガラ工場、フォート・エリー工場、ブラントフォード工場(いずれもオンタリオ州)

<NAC International Inc.>
設立:1968 年(2013 年 日立造船グループに)
株主:日立造船 100%
代表者:Kent S. Cole, President and Chief Executive Officer
所在地:米国ジョージア州ピーチツリー コーナーズ
従業員数:102 名
事業内容:原子力発電所使用済燃料や放射性廃棄物の輸送・貯蔵用機器に関わる設計、輸送、管理業務など

 ニュースリリース