・ゼロカーボン北海道の実現に貢献
日立造船は5月18日、北海道電力より受注していた 1MW 級の水素発生装置1基(水素発生量:200N m³/h)の試運転を完了し、このほど、同社の苫東厚真発電所(苫小牧市)の隣接地に納入したと発表した。
北海道電力は経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「令和 3 年度補正予算 再生可能エネルギ ー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業」に採択されている。本件では、その一環と して同社が導入を決定した1MW級の大型水素製造装置の設計や製造、試運転を日立造船が請け負っている。
日立造船は 2000 年に水素製造装置の販売を開始し、これまでに国内の企業や研究機関などに 30 基 以上の納入実績を有している。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)の事業を通じ、装置の大型化や高圧化に向けた取り組みを進めている。本件は、この ような日立造船の実績や技術が高く評価されて北海道電力からの受注に至ったもの。
今後は装置の設備性能評価試験を行い、寒冷地における運用・保守技術の確立を目指すと共に、 道内自治体への水素供給および自社消費(発電機の冷却)等の利用方法の拡大を志向するとのこと。
水電解による水素製造装置は、再生可能エネルギーの余剰電力や出力変動を吸収し、再生可能エ ネルギーの更なる導入拡大を図ることができる設備であり、再生可能エネルギーが豊富な北海道地 区において特に期待される技術。
北海道電力は、北海道が掲げる「ゼロカーボン北海道」に賛同し、各種取り組みを行っているが、日立造船は水電解による水素製造技術を通じ、同社が推進する水素の普及促進とゼロカーボン北海 道の実現に向けた取り組みを今後ともサポートしていく。
<概要>
発注者:北海道電力株式会社(札幌市中央区、藤井 裕社長)
納入場所:苫東厚真発電所隣接地(北海道苫小牧市字弁天 1 番 17)
設備規模:1MW 級水電解装置1基
水素発生量:200N m³/h