アイダエンジニアリングが5月15日に発表した2023年3月期(2022年度)連結業績によると、受注高は、電気自動車関連の需要拡大に支えられ過去最高 の83,994百万円(前期比7.2%増)となり、受注残高も年度末としては過去最高の70,343百万円(同27.6%増)となった。売上高については、電気自動車関連の需要増加や為替影響等により68,795百万円(同10.1%増)となった。利益面では、原材料費、外注費、物流費等の原価高騰や貸倒引当金の計上等により、営業利益は1,540百万円(同 38.5%減)、経常利益は1,710百万円(同29.7%減)となったが、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度に計上した海外子会社における減損やコロナに伴う操業縮小損失の剥落に加え、2022年度における政策保有株式の売却益や海外子会社清算益等により1,295百万円(同44.5%増)となった。
■経営成績の概況
2022年度における世界経済は、コロナ禍からの正常化が進み回復基調にあるが、インフレの高止まり、ロシア・ウクライナ問題の長期化、エネルギー不足、自動車産業等における半導体不足の影響等で減速局面にある。今後も金融引き締めによる更なる景気下押しや、米中対立等の地政学的リスクも懸念され、依然として先行きは 不透明な状況。鍛圧機械製造業界は、国内の堅調な需要を反映し、2022年度の受注は前期比7.0%増の153,309 百万円(一般社団法人日本鍛圧機械工業会プレス系機械受注額)となった。
■セグメントごとの経営成績
日 本: プレス機械の売上が堅調に推移し、売上高は41,648百万円(前期比9.1%増)となったが、セグメ ント利益は原材料費増加等に伴う粗利率の低下等により455百万円(同43.2%減)となった。
中 国: 中・小型プレス機械の売上が増加し、売上高は11,021百万円(前期比24.5%増)となったが、セ グメント利益は貸倒引当金の計上により149百万円の損失(前期は741百万円のセグメント利益)となった。
アジア: プレス機械とサービスの売上の増加と円安の影響により、売上高は10,676百万円(前期比39.6%増) となり、セグメント利益は909百万円(同22.0%増)となった。
米 州: サービスの売上の増加及び円安の影響により、売上高は16,792百万円(前期比21.1%増)となったが、セグメント利益は原材料費や外注費の高騰に伴う粗利率の低下等によりほぼ横ばいの286百万円 (同6.2%増)となった。
欧 州:サービスの売上の増加及び円安の影響により、売上高は12,864百万円(前期比1.6%増)となり、セグ メント利益は粗利率の改善により227百万円(同104.9%増)となった。
■今後の見通し
次期の見通しについては、売上高は720億円(前期比4.7%増)、営業利益は47億円(同205.2%増)、経常利益は49億円(同186.5%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益は36億円(177.9%増)を予想している。
コメントを投稿するにはログインしてください。