東ソー、南陽事業所にCO2回収および原料化設備を新設

イソシアネート製品原料にCO2使用へ

 東ソー(東京都港区)は4月27日、二酸化炭素(CO2)を回収し、原料として使用する設備を南陽事業所(山口県周南市)に設置することを決定したと発表した。同設備では、回収したCO2を主力製品であるイソシアネート製品(ポリウレタンの原料となるMDI等)の原料として使用する計画で、2024年秋頃の運転開始を予定している。

 ポリウレタンの原料となるMDI等
東ソーでは、イソシアネート製品の原料としてナフサ由来の一酸化炭素(CO)を製造している。設置する設備では、自社技術によるCO2回収プロセスを用いて年間約4万tのCO2を燃焼ガスから回収し、CO製造原料として有効利用する。ナフサからCO2への原料の切り替えにより、同社イソシアネート製品の低炭素化に寄与することができる。

 また、CO2回収プロセスでは、回収剤として同社が自社開発した高耐久性CO2回収アミン液を採用している。2022年夏より自社実証試験設備での検証を行ってきたが、今後は商業スケール設備での運用によりCO2の削減と有効利用を達成すると同時に、更なる性能向上を図り、CO2回収アミン液の外販に向けた取り組みも推進していく。

 東ソーは、長年培ってきたあらゆる技術と経験を集結してイノベーションの創出に挑戦し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。

<新設する設備の概要>
立地:南陽事業所 イソシアネート原料生産設備(COプラント)内
設備概要:CO2回収および原料化設備
CO2回収量:約4万t/年
計画着工/運転開始 :2023年3月/2024年秋頃(予定)

 ニュースリリース