クボタ、追加機能や他社製アプリも入手可能な「KSAS Marketplace」を開設

・営農支援システムがユーザーによるカスタマイズが可能に

 ㈱クボタは3月29日、同社がサービス提供する営農支援システム「KSAS」(クボタスマートアグリシステム)の利用者がそれぞれの農業経営に役立つKSASの追加機能や他社の営農関連アプリ等を無料で取得(一部有料)できるウェブサイト「KSAS Marketplace」を開設すると発表した。当初はドローンで撮影した作物の生育状況を画面に表示する「リモートセンシング」や、水田への水の出入り状況を地図上に表示する「水管理」など、クボタグループが提供する追加機能から公開し、クボタグループ外のサービス提供者によるコンテンツも順次追加していく予定。

 多くの企業の参画や他社システムとの連携を促進し、農業経営に役立つアプリやサービスを社内外問わず幅広く品揃えすることで、ユーザーそれぞれのニーズに応じた機能・アプリ等を探索・導入しやすい環境をKSAS上で提供し、さらなる日本のスマート農業の普及・拡大に貢献していく。

■背景と狙い
 農業生産者の高齢化が急速に進むなど、国内農業が多くの課題を抱える中、スマート農業の推進によって農業の大規模化やコスト競争力強化、農作物の高付加価値化といった国内農業の成長に寄与すべく、クボタは農地情報や作業履歴、収穫実績、農機の稼働情報等をパソコンやスマートフォン等を使って管理・閲覧できる営農支援システム「KSAS」のサービス提供を2014年に開始した。

 市場では農業に係るシステムが数多くリリースされているが、それらのシステムのほとんどは各社個別に運営されていてデータが連携されておらず、複数のシステムを活用する農業生産者を中心にシステム間でのデータ相互利用などのニーズが顕在化してきている。また、農業生産者が自身の農業経営に適したシステムを探索するのにも労力がかかる状況。

 クボタはKSASに蓄積されている農地情報や作業履歴といったデータを容易に連携できる「KSAS API」の提供や、官民共同の農業データ連携基盤「WAGRI」の「農機OpenAPI」を介したクボタの農機の稼働情報等のデータ提供など、データのオープン化を推進してきた。

 そこで、クボタは企業やシステムがつながりやすい環境を提供するため、KSASの追加機能だけでなく、クボタ以外のサービス提供者による営農関連アプリ等を幅広く取り揃えるウェブサイト「KSAS Marketplace」を開設する。

 多くの営農システム提供者の参画を促し、社内外の営農支援アプリやコンサルティングサービス等の品揃えを充実させることで、ユーザーが自身の農業経営に適したアプリやサービスを探索・導入しやすい環境を提供し、日本のスマート農業のより一層の推進に貢献していく。

<KSAS Marketplaceの概要>
利用者:KSASの会員登録をされている方
開設日:2023年3月29日
利用料金:無料(一部課金あり)
KSAS有料プランの利用は通常料金。
開設時に提供するアプリ:KSASの追加機能(「乾燥調整システム」、「積算温度」、「水管理」、「WATARAS連携」、「リモートセンシング」)、クボタおよび他社の有料/無料アプリを順次追加予定

 ニュースリリース