中国の建設機械、新エネルギー分野の布石を加速

 CHPSA (中国油圧空気圧シール工業協会):2022年9月30日、出所:中国新聞網より要訳

 中国新聞網柳州 9月27日電(周瀟男):広西柳工機械股份有限公司(以下、柳工)は、最近、寧徳時代新能源股份有限公司(以下、寧徳時代)と 10年間の戦略的協力協定に署名し た。協定に基づいて、電動化建設機械市場を開拓するために、双方は手を携えてそれぞれの強みをフルに発揮することになる。

 中国の西部に位置する柳工は、中国装備製造の一枚の美しい名刺となっている。同社は、 世界で 5 つの研究開発(R&D)拠点を構築しており、製品は、世界の約 170 国と地域に販売されている。ローダーの国内シェアは業界第 1 位を占めており、研究開発技術レベルは世界の建設機械業界の第 1 グループにランクされている。寧徳時代は、世界有数の電池サ プライヤーであり、双方の提携協力は、建設機械の「電動化」の歩調を加速することになろ う。

 近年、中国の建設機械メーカーは続々と新エネルギー建設機械分野に布石を打ってい る。建設機械トップの三一集団は、川上の電池企業との提携に加え、設立した新会社「三一リチュウムエネルギー」(中:三一鋰能)を通して、リチュウム電池とエネルギー貯蔵セク ター(中:儲能板塊)部門に直接進出している。

他にも同様な動きがある。ハイエンド装備メーカーである中聯重科は、すでに約50種の新エネルギー製品を発表している。徐工、柳工、山河智能などの建機メーカーも電動製品の国際化への布石を加速しており、すでに油圧ショベル、ローダー、クレーン、新エネルギー大型 トラックなどの多種類の電動化製品を海外市場に投入している。

 柳工の戦略運営総監の喩志勇は、「数年前まで、当社の電動ローダーはまだ小ロッド生産しか出来なかったが、今では量産されており、輸出も成功している」と述べている。近年、 柳工の電動建設機械は、環境保全や省銭能手(マネーセーバー)として、市場の認識が徐々に改善されている。柳工の電動ローダーは、2021 年の発売以来市場で好評を得ており、現在では、中国国内市場のシェアは 70%を超えている。

 建設機械製品をクリーン、グリーン、ハイテク開発に導くために、中国当局は関連政策 を策定している。中国工業和信息化部(中国産業情報技術省)は、2035 年までに公共バス、 都市物流車両、衛生清掃車などを含めた、中国の公共分野に用いる車輛の全面的電動化実現を推進するための「公共分野における車輛の電動化推進行動計画」を発表し、条件の整っている地区に対し、建設機械の電動化の研究開発や運営に支援をするよう奨励している。
 「三電」(バッテリー、モーター、電気制御)技術の発展に伴い、製造コストは絶え間 なく低減されており、「電動化」は近年の建設機械業界ではよく使われる単語となっている。 「双碳」(ダブルカーボン)の背景の下、電動化とインテリジェント化の発展が業界の構造 転換とアップグレードのキーポイントとなっている。

 中国工程機械工業協会のデータによると、2022 年 1 月から 8 月にかけて 851 台の電動 ローダーが販売されている。このうち、8 月の販売台数は 216 台で、前年同月比 92.8%の増加である。

 英国証券研究所のアナリストである鄭罡は、中国の動力電池(パワーバッテリー)産業の規模は世界をリードしており、中国の建設機械の電動化製品の研究開発を強力に支援し ていると述べている。政策の推進と環境保全圧力が強く迫る中で、2025 年の建設機械電動 化の浸透率は 30%を超える見込みである。

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