清水建設は9月2日、インドネシアの国営建設会社アディカリヤ社と共同企業体(JV)を組成し、ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)南北線2期工事のうち地下駅舎3駅の建設を含む施工延長1,840mの地下工区「CP202」を受注(発注者:PT.MRTジャカルタ社)したと発表した。
ジャカルタMRTは、インドネシア初の地下鉄を含む都市高速鉄道で、中央ジャカルタと南ジャカルタを結ぶ全長15.7kmの1期工事区間が2019年3月に開通している。1期の土建工事は6工区に分けて設計施工方式で発注され、清水建設はJVの幹事企業として2工区、構成企業として1工区の計3工区の建設を担当した。
2期工事は、既開通区間北端の「ブンデランHI(Bundaran H.I)駅」からジャカルタ北部のコタ地区に伸びる延長約6.0kmの地下鉄路線を建設するもので、路線内に7駅が新設される。土建工事の発注は3工区に分けられ、そのうち、初弾工事として2020年3月に発注された、ブンデランHI駅からハルモニ(Harmoni)駅までのCP201工区(施工延長2,676m)を清水建設とアディカリヤ社のJVが受注している。
新たに受注したCP202工区は、ハルモニ駅からマンガブサール(Mangga Besar)駅までの施工延長1,840mの地下工区で、地下2層・駅長235mのハルモニ駅、地下4層・駅長200mのサワブサール(Sawah Besar)駅、地下4層・駅長220mのマンガブサール駅の駅舎建設を含む。トンネル工事は、駅間を結ぶシールドトンネル4本(2区間×上下線:総延長1,184m、仕上がり内径6.05m)で、ハルモニ・サワブサール間が延長394m、サワブサール・マンガブサール間が延長790mとなる。工期は2022年7月から約89カ月間、延伸区間の開通は2029年内の予定。
同工区では、交通量の極めて多い幹線道路の直下を開削し、大規模な地下駅舎を構築する。施工中は、走行レーンを何度も切り回しながら工事を進めることになり、幹線道路中央を流れる運河の一部覆工も必要になる。また、近接する建物や地下埋設管も多く、周辺への影響を十分に考慮した施工計画が求められる高難度の都市土木工事となっている。
経済成長著しいインドネシアでは、交通インフラの整備、環境への配慮が今後の発展に向けた課題となっており、公共輸送手段の充実が求められている。清水建設は引き続き、技術力を活かせる大規模工事を中心に、同国のインフラ整備に貢献していく考え。
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