加藤製作所、22年4〜6月売上は20%減の約117億円、通期予想641億円は変更せず

 ㈱加藤製作所が8月5日に発表した2023年3月期第1四半期(4〜6月)連結業績によると、売上高はサプライチェーンの混乱による生産への影響や中国市場の停滞 により、116億8千5百万円(前年同期比79.6%)となった一方、昨年度から取り組んでいる収益性改善・強化への取り 組みが実を結びはじめ、営業損失は3億2千万円(前年同期は営業損失6億3千7百万円)、経常利益は1億2千2百万円(前年同期は経常損失4億7千1百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億7百万円(前年同期は親会社株主に帰属 する四半期純損失5億1千万円)となった。

 4〜6月における我が国経済は、各種政策の効果により景気の持ち直しの動きがあったものの、 ウクライナ情勢の長期化による原油価格や原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱に加え、急激な円安進行に よる物価上昇圧力が強まり、依然として不透明な状況が続いている。

 海外については、欧米においては、ウィズコロナ政策のもと経済活動が活発化する一方で、急速なインフレ進行による金利上昇から景気後退への懸念が高まっており、また、中国においては、ゼロコロナ政策や大規模なロ ックダウンにより、経済活動全般に大きな影響が及んでいる。

 このような状況下、加藤製作所グループは、2022年度を新たな中期経営計画のスタートと位置づけ、基本方針として掲 げた「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」の各施策に取り組んでいる。

 加藤製作所2023年3月期第1四半期データ

セグメント別の状況

① 日本:国内向け建設用クレーンは、営業力強化により販売台数・販売金額ともに増加し、売上高は63億8百万円(前年同期比115.9%)となった。海外向け建設用クレーンの売上高は6億8千3百万円(前年同期比38.2%)の減少となった。

 国内向け油圧ショベル等の売上高はサプライチェーンの混乱が大きく影響し、18億3千9百万円(前年同期比60.0 %)となった。海外向け油圧ショベル等の売上高は10億7千9百万円(前年同期比75.3%)となった。

 日本の売上高は101億6千7百万円(前年同期比84.6%)となり、セグメント損失は3億1千7百万円(前年同期はセグ メント損失4億8千6百万円)となった。

②中国:中国向け油圧ショベル等は、ゼロコロナ政策の影響を受け、厳しい販売環境が継続しており、中国の売上高は7 億9百万円(前年同期比30.8%)となった。その結果、セグメント損失は1億1千8百万円(前年同期はセグメント 損失4億2千2百万円)となった。

③その他:その他地域においては、クレーン・ショベルともに販売台数が増加し、売上高は11億2千7百万円(前年同期 比111.0%)となり、セグメント損失は2千7百万円(前年同期はセグメント損失0百万円)となった。

主要品目別売上高の状況

① 建設用クレーン:建設用クレーンは、国内営業力強化により、国内売上高は63億8百万円(前年同期比115.9%)となりった。 海外売上高は、8億1百万円(前年同期比41.9%)となった。よって、建設用クレーンの売上高は71億9百万円 (前年同期比96.6%)となった。

②油圧ショベル等:油圧ショベル等は、サプライチェーンの混乱が影響し、国内売上高は18億3千9百万円(前年同期比60.0%)とな次のた。海外売上高は24億8千1百万円(前年同期比62.5%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は 43億2千万円(前年同期比61.4%)となった。

③ その他:その他の売上高は2億5千6百万円(前年同期比88.9%)となった。

連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2022年5月13日に公表した通期の連結業績予想(下記)に変更はない。

 売上高641億円(前期比0.9%増)、営業利益13億円 、経常利益10億円 、親会社株主に帰属する当期純利益6億円。

 また、2022年8月2日に日野自動車が公表したエンジンの認証不正問題の調査結果を受け、 対象となるエンジンの製品への搭載状況を確認した結果、 一部の製品に該当していることが判明。当該製品については、同社と連携し、今後可及的速やかに必要な市場措置を実施していく。業績への影響については現在精査中だが、今回対象となったエンジンを搭載した製品は、クレーン車の一部車種に限られていることから、現時点で業績への影響は軽微であると見込んでいる。

 加藤製作所の2023年3月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算説明資料