AGCは5月6日、インドシナ半島におけるクロール・アルカリ事業統合新社であるAGC Vinythai Public Company Limited(2022年7月設立予定)のタイ2拠点*における生産能力増強を決定したと発表した。稼働開始は2025年第1四半期を予定している。また投資総額は1,000億円以上を見込んでおり、AGCグループとして過去最大の金額規模となる。
今回の増強により、AGCグループの東南アジア地域におけるクロール・アルカリ製品の年間生産能力は、苛性ソーダ164万トン(現在142万トン)、塩化ビニルモノマー(VCM)170万トン(現在130万トン)、塩化ビニル樹脂(PVC)160万トン(現在120万トン)に拡大する。
苛性ソーダおよび塩化ビニル樹脂(PVC)は、上下水道などの都市インフラ整備や多様な工業製品に欠かせない素材であり、両製品の東南アジアにおける市場は、経済成長に伴う製造業やインフラ事業等の継続的な拡大を背景に、年4%程度の成長が見込まれている。この旺盛な需要に対応するため、AGCは増強の検討を進め、タイ環境当局による環境影響評価の承認を取得し、投資を決定した。また、設備増強においては、環境負荷低減のため、エネルギー効率や生産効率を向上させた最新の環境対応技術を導入する。
AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2023 の注力事業のひとつとして、東南アジアにおける化学品クロール・アルカリ事業拡大を目指している。域内で伸長する需要の着実な取り込みと競争力強化を目的とし、これまでインドネシアにおける既存拠点の生産能力増強や、AGCケミカルズ・べトナム社およびビニタイ社の買収を実施し、東南アジアにおけるクロール・アルカリ事業のトップポジションを確固たるものにしてきた。また、2022年7月にインドシナ半島のクロール・アルカリ事業 3 社を統合再編する新社設立を予定し、同地域での基盤強化と更なる成長を目指している。今後もサステナビリティ活動の一環として環境負荷低減に全力で取り組み、同地域における安全、安心、健康な暮らしの実現と、東南アジア社会の持続的発展へ貢献していく。
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