自律走行型農業ロボットを活用して農業の効率化を目指す㈱レグミン(埼玉県深谷市)は2月24日、自律走行型農業ロボットによる農薬散布サービスの提供を開始したと発表した。農薬散布サービスを展開することで、農薬散布に伴う人件費、作業負担、スキルによるムラなどの農家・農業法人の悩みを解決し、栽培面積拡大、農薬散布のコスト削減を目指す。
■農薬散布サービスとは
農薬散布は、暑い中作業をしたり、農薬を吸い込む(暴露)リスクがあったりする労働負荷の高い作業。また農機を使用しても作業時間が長くコストのかかる農作業。農薬散布サービスは、その農薬散布を農家/農業法人の担当者に代わって、農薬散布を代行するサービス。
■レグミンの自律走行型農業ロボットについて
レグミンの自律走行型農業ロボットは、小型で高性能な組込み用コンピューターであるNVIDIA Jetsonのほか、カメラや地磁気センサー、GPSなど多数のセンサー類を搭載することで、耕作地の地形や畝の形状を認識し自律走行する。この手法により誤差1〜2cmの高精度の自律走行を実現しており、特許(特許第6700500号)を取得している。この自律走行型農業ロボットは1回の給水で300Lの農薬を散布することが可能。自律走行型農業ロボットを使うことで、人が動力噴霧機を用いて1人で作業した場合に1haあたり400分かかるところ、250分まで短縮することができる。また、複数台のロボットの同時運用を行うことで、更なる農薬散布時間の短縮や作業コストの削減を目指す。
農薬散布サービスの提供範囲は、現時点では埼玉県深谷市及び熊谷市だが、今後順次拡大していく。
埼玉県深谷市で栽培されている「深谷ねぎ」への農薬散布をまずは対象としているが、畝の幅に自律走行型農業ロボットのサイズを合わせることで他の農作物への応用も可能。
レグミンはすでに、新たな農薬散布サービスの受託対象として深谷市の特産物であるブロッコリーにも着手している。また、サービス展開地域を国内の他都道府県だけでなく、将来的には日本と作付体系が似ている東南アジア等の海外への展開も視野に入れている。
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