不二越、2021年11月期売上は14.0%増の2,291億円、今期予想は9.1%増の2,500億円

 ㈱不二越が1月12日に発表した2022年11月期(2021年度)連結業績によると、売上高は、自動車や建設機械分野に加え、産業機械・市販分野での需要の回復を受けて、2,291億17百万円(前期比14.0%増)、このうち、国内売上高は1,167億71百万円(同11.8%増)、海外売上高は1,123億45百万円(同16.3%増)となった。利益面については、売上・生産の増加による操業度の改善に加え、昨年来実施してきた自動化・合理化による生産性の向上、内製拡大、業務の効率化による販売費・一般管理費の節減など、トータルコストダウンの効果を取り込み、営業利益は147億18百万円(同2.1倍)、経常利益は144億57百万円(同2.6倍)、親会社株主に帰属する当期純利益は99億93百万円(同4.1倍)となった。

 2011年度における不二越グループをとり巻く環境は、経済活動の正常化が進み、日本・欧米などの先進国経済の持ち直しが続くなど、総じて緩やかな回復基調にある。一方で、新型コロナウイルス感染症の再拡大や世界的な半導体不足による自動車の減産、中国経済の減速懸念などにより、依然として先行きの不透明な状況が継続している。

 このような状況のもと、不二越グループは、ロボット事業を核に、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組んできた。また、収益の改善に向けて、需要の変動に柔軟に対応する生産体制の構築、合理化などを進め、さらに、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の変化を見据え事業全般の構造改革を推進してきた。

 不二越2021年11月期データ

■セグメント業績

 機械工具事業では、回復基調にある工具需要と、中国を中心としたロボット需要の拡大により、売上高は714億93百万円(前期比5.8%増)となり、合理化や経費削減により営業利益は46億9百万円(同83.7%増)となった。

 部品事業では、市況回復が続く自動車・建設機械分野に加え、産業機械・市販分野の需要を取り込み、売上高は1,447億38百万円(同19.9%増)となり、操業度の改善と、自動化・合理化による生産性の向上、内製拡大などのコストダウン効果で営業利益は99億3百万円(同2.7倍)となった。

 その他の事業では、特殊鋼需要は持ち直しつつあるが、低水準で推移した結果、売上高は128億84百万円(同0.8%増)、営業利益は99百万円(同82.7%減)となった。

■今後の見通し

 次期の事業環境については、足もとでは、新型コロナウイルス感染症の再拡大や半導体不足の影響が残るものの、自動車・産業機械・建設機械・市販分野ともに需要は概ね緩やかに回復していくことが予想される。一方で、脱炭素社会の実現に向けて、不二越の主要な事業領域である自動車分野においては、本格的なEV化に向けたとり組みや事業再編が加速し、さらに、ものづくりのDXの進展や、SDGsをはじめとした社会・環境問題への対応など、不二越グループをとり巻く環境は大きく変化している。

 不二越グループとしては、ロボットをはじめ多彩な事業・技術・生産ノウハウを有する独自性を活かし、新しいビジネスチャンスを創出していく。そして、営業・サービス、製造・調達、研究開発の各面で体質を強化して、市場の動き・ニーズを捉え、全部門の技術を連携・結集した商品・サービスを拡販し、また、自動化・合理化により生産性を向上させていくことで、業績の一層の向上に努めていく。そして、事業活動を通して、環境・社会・ガバナンスなどの課題にとり組み、持続的な企業成長を目指していく。

 現時点における2022年11月期の連結業績予想は、売上高2,500億円(前期比9.1%増)、営業利益170億円(同15.5%増)、経常利益160億円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益110億円(同10.1%増)を見込んでいる。

 なお、為替レートは1USドル110円、1ユーロ125円、1中国元17円を前提としている。

 不二越の2021年11月期決算短信

 2021年度決算と2022年度計画の決算概要

 決算補足資料