・ワークのピックアップ、工場内の搬送、生産計画の変更に柔軟に対応可能
DMG森精機は9月22日、加工ワークの搬送や着脱など工場内の物流搬送を自動化し、 工場全体のデジタル化を実現する次世代搬送システム「WH-AGV 5」の販売を10月1日より開始すると発表した。2021年10台、2022年20台、2025年100台の販売を予定している。
AGVとは“Automated Guided Vehicle”の略で無人搬送車を意味し、人が操作する従来のハンドリフタやフォークリフトに代わる新しい自動搬送手段として、自動化のニーズの高まりとともに 活用が進んでいる。特に走行レールの敷設が不要な無軌道型AGVは、変種変量生産にも対応できるため、生産現場や物流現場でも需要が高まっている。一方で、無軌道型AGVが目的地に到着する停車位置決め精度は数十ミリ程度であり、高精度な位置決め精度が求められる工作機械へのワーク着脱には、導入が難しいという課題があった。
開発したWH-AGV 5は、自社開発の 無軌道型AGVと人協働ロボットを組み合わせた自律走行が可能な次世代搬送システム。走行ルート用の磁気テープやマーカーがなくても工場内を自由に走行し、最大高さ35mmのケーブルダクトなど工場内の段差に対する走破性を有している。
また、加工ワークの搬送だけでなく着脱までを自動化する。ロボットアームの先端に搭載したビジョン センサによる位置/姿勢の補正技術により、±1mm以下の位置決め精度を実現しており、工作機械へのワークダイレクト着脱が可能。レーザスキャナにより人や障害物を検知し回避して走行できるため、安全フェンスは不要で、工場内で人との協働環境を実現する。さらに、 自社開発のAGVコントローラでは、工作機械だけでなく、洗浄装置や計測装置などの周辺機器への搬送も一括制御する。
WH-AGV 5を用いた自動化システムは、これまでのロボットシステムとは異なり、工場内全体の生産設備を接続して有効活用できるため、生産数の変動予測が難しい場合でも、状況に応じて柔軟に工程変更が可能。WH-AGV 5単体でも購入可能で、既存機への後付けもできるため、変種変量生産が多い SMEs(Small and Medium Enterprises:従業員100名以下の企業)の顧客も活用しやすい自動化システム。さらに、 工作機械の自動化だけでなく、 FA業界全体で活用できる。
なお、WH-AGV 5は10月20日(水)~23日(土)の 4日間、ポートメッセなごやで 開催される 「メカトロテックジャパン2021」に出展。同社Webサイトに動画を公開している。
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