小林製薬、約15億円投じて富山小林製薬に「新漢方棟」を建設

・漢方製剤のさらなる需要拡大を見据え、生産能力を増強

 小林製薬(本社:大阪市中央区)は7月29日、100%子会社である富山小林製薬(富山県富山市)の敷地内に漢方製剤を製造する新棟を建設すると発表した。投資金額は約15億円。2021年10月に竣工し、2022年春より製造工程の稼働を開始する。

 小林製薬は漢方事業について、前回の中期経営計画の成長4事業の一つに掲げるなど、注力して取り組んでおり、売上も順調に伸長している。中でも、主力となる肥満症対策薬「ナイシトール」ブランドは、生活者の健康意識の高まりなどを背景に、今後もさらなる需要拡大が見込まれる。そこでこのほど、生産能力増強と漢方製剤の一部内製化を目的として、富山小林製薬の敷地内に新棟を建設する。

 これにより漢方の生産能力は従来の約1.4倍となり、また充填包装工程の自動化による省人化を進めることで生産効率を高め、今後の需要拡大に柔軟に対応できる体制を整える。

 新工場の稼働時は「ナイシトールZa」(第2類医薬品)を生産し、今後順次、生産品目を拡大している。「ナイシトールZa」においては、新棟での生産を機に容器の素材をガラスから「バイオマスプラスチック」を25%配合したプラスチック素材に変更する。これに加え、製品設計の見直しを実施することで、軽量化を主とした温室効果ガス排出量(CO2eq)の削減効果は年間約111トンを見込んでいる※。バイオマスプラスチック容器を漢方製剤で採用するのは小林製薬では初めての取り組みで、今後、他の製品でも順次切り替えを検討している。

ライフサイクル全体における温室効果ガス排出量から算出

<新漢方棟の概要>

建設予定地:富山県富山市中大久保100-1

建築概要:延床面積:2,151㎡(652坪) 建築面積:1,648㎡(約500坪)

生産能力:約1,000,000製品(420錠換算)

投資規模:約15億円

生産品目:ナイシトールZa

稼動開始:2022年春の予定

※上記は現段階のものであり、内容等に変更の可能性がある。

<富山小林製薬株式会社の概要>

所在地:富山県富山市中大久保100-1

設立年度:1982年3月10日

出資:小林製薬株式会社100%

敷地面積:50,071㎡(約15,173坪)

生産品目:医薬品(アイボン、のどぬ~るスプレー、ハッキリエース、命の母等)、芳香消臭剤(消臭元、無香空間等)、洗浄剤(タフデント、トイレ洗浄中等)、健康食品

 画像・上:新漢方棟完成イメージ図新漢方棟完成イメージ図

 画像・下:ガラス バイオマスプラスチックを25%配合したプラスチック素材 ※デザインは仮

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