・塗装ロボットとの組合せで生産性の高い塗装ラインを構築
㈱安川電機は7月15日、塗装ブース内で塗装ロボットと協調しながらエンジンフードなどの開閉を行う塗装用途オープナーロボットMOTOMAN-MPO40(可搬質量40kg、最大リーチ4550mm) の販売を開始すると発表した。
自動車ボディーの塗装時には、エンジンフードやテールゲートの開閉を行い、それらの外側、内側を効率よく均一に塗装する必要がある。
従来は、塗装ロボットの先端部に、塗料を吹き出す塗装用ガンと、エンジンフードなどを開閉するハンドの両方を装備した塗装ロボットで対応していたが、開閉を行っている間は塗装作業ができなくなる。また、塗装作業ができない時間帯をカバーするために塗装ロボットを増やせば、ロボット同士の干渉を回避するために塗装範囲が制限されてしまう。
そこで、塗装ブース内で塗装ロボットと協調しながらエンジンフードなどの開閉を行う塗装用途オープナーロボットMOTOMAN-MPO40を製品化した。
MOTOMAN-MPO40は、大型化するエンジンフードやテールゲートを上下へ開閉するのに充分な可搬質量40kgを確保している。また、壁掛設置ができることから、塗装ブースの上方から設置することで、空間を有効に活用でき塗装ロボットとの干渉も避けることができる。さらに、最大リーチが4550mmと長いため、走行機構なしで自動車ボディーへの作業が可能。これらの特長により、塗装ブースの塗装作業の効率化やコンパクト化を実現する。
<主な特長>
(1)高密度配置を可能とするロボット構造
壁掛設置方式の採用により、塗装ブース側面または上方へのロボット設置が可能。塗装ロボットの近くで動作しつつ、塗装ロボットの作業領域に入らないことで、作業効率の向上と高密度配置を実現する。これらにより、塗装ブースのコンパクト化やラインの短縮が可能で、ランニングコストの低減および環境性向上へも貢献する。
(2)広い動作範囲
最大リーチ4550mmにより、自動車ボディー前後にあるエンジンフードから、テールゲートまでのアクセスが可能。また、ライン上にとどまっている、あるいはライン上を移動している自動車ボディーに対して走行機構なしで開閉動作を行うことができる。さらに、上下ストローク2000mm以上を確保しており、近年販売台数を伸ばしているSUVタイプの車両など、テールゲートの開口可動域が広い自動車ボディーであっても、高い位置までテールゲートを引き上げることで内側の塗装が容易となる。
(3)各地域の防爆仕様に適合
塗装ブース内では、噴霧された塗料への引火により爆発事故が発生してしまう。そのため、塗装ブース内で使用される機器については、防爆仕様の適用が法律により義務付けられている。同機種は、日本国内での防爆仕様の認証を得ている。また顧客のご要望に応じて欧州、米国、アジア等の海外防爆仕様の認証取得を行っていく。
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